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代表者でない出願人が審査請求できるか?(補足)

2012.05.26

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> 弊ブログの記事に興味をもっていただきありがとうございます。
> 恥の上塗りになるかもしれませんが、ご指摘いただいた点につき私なりにもう少し考えてみた結果を書かせていただきます。
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> 複数の出願人のうちの一部を代表者とするということは、「私は何もしません。手続きはすべて代表者にお任せします。」という意思表示を代表者以外の出願人がしたと考えられます。
> 審査請求をする権利は確かに世界中のすべての人に与えられている権利ですが、手続きを代表者任せにすると意思表示をした出願人が世界中の人から除外されたとしても、私はそれほど不自然とは思いません。
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> 代表者ではない出願人が考えを変えて審査請求がしたくなった場合は、代表者がいない初期の状態に戻す(きっとできますよね?)ことにより、出願人として自ら審査請求することができるようになりますので、上記のように考えても、代表者以外の出願人の不利益が大きすぎるということはないと思います。
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> 長文失礼いたしました。
コメントありがとうございます。
共同出願人の関係は、出願時は良好でも、その後に、関係が悪化して、代表者でないものが特許の成立を希望しない状況も考えられます(実際に、共同出願人の関係が悪化する例は非常に多いです。)。
一方が完成品メーカーで他方が部品メーカーであって、部品メーカーが代表者の場合に、完成品メーカーが出願後に、共願人以外から部品を購入したくなった場合、特許は邪魔になります。その場合、完成品メーカーの立場は、第三者に非常に近くなります。代表者がいない状態にする手続は、代表者しかできません。そうすると、完成品メーカーは何もできません。
実際は、ダミーを立てて、審査請求をすると思いますが、大事なことは、代表者でない出願人は、立場的に第三者に近くなる場合があり、審査請求する権限が付与されるべき理由が存在するということです。
いくらかでもそのような理由が存在すれば、特定人を「何人」から除外するという大胆な解釈は困難になるはずです。
青本の記載よりも条文の「何人」という文言に執着することが重要だと思います。
弁理士試験という観点で見ると「できる」とすべきです。試験委員は、「できる」ことの理由として「何人」を持ってこれます。
「できない」ことの説明は、shin-5様の解説の通りになりますが、条文との整合性について、私のような人がクレームをつけた場合、特定人が「何人」から除外される理由の説明は非常に困難です。

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