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Partial ESR(部分ESR)への対応

2014.12.27

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欧州出願が、全ての請求項が単一の技術的特徴を有していない場合には、以下の例のように、請求項中に複数の発明が含まれていて、単一性に要件が満たされないと認定されることがあります。
発明1:請求項1~4
発明2:請求項5~8
単一性が認められない場合、一部の発明についてのみ調査が行われ、”partial European search report”がEPOから発行される場合があります。PCTからの国内移行の場合は、”partial supplementary European search report”という名称になりますが、同じようなものです。
部分ESRが発行された場合、追加費用を支払うか/支払わないの選択が可能です。
追加費用を支払った場合
・全ての発明について調査が行われ、全ての発明について特許性についての見解がもらえます。
・但し、この見解に対して応答する際には、1つの発明を選択する必要があります。
・従って、追加費用を支払っても、権利化手続きを続行できるのは、1つの発明についてのみです。
・審査部門が単一性を認めた場合には追加費用は返金されます。
・分割出願をした場合、すでに支払った調査費用は返金されます(請求が必要)。
追加費用を支払わなかった場合
・最初の発明について調査が行われ、その発明について特許性についての見解がもらえます。
・この見解に対して応答する際には、調査された発明を選択する必要があります。
・ESRへの応答時に調査された発明以外の全ての請求項を削除する必要があります。
選択しなかった発明については、分割出願で権利化を図ることができます。
以上の観点から、通常は、partial ESRに対しては、審査段階で単一性違反について争う余地がある場合や、
分割出願をする予定がある場合は、追加費用を支払うのがいいと思います。
一方、単一性違反について争う余地がない場合は、「追加費用の支払いをしない」で対応するのがいいと思います。

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