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特許審査費用見直しの動きは? 

2010.11.13

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特許審査費用見直しの動きは?


そのNHKの報道は見ていませんが、ソースは、おそらく
産業構造審議会 知的財産政策部会  第30回特許制度小委員会 議事要旨
だと思います。
この議事を見ていると、単に、審査請求料引き下げの要望が強いということが議論されたという段階に過ぎないように思います。
審査請求料の改定には、特許法の改正が必要ですが、閣議決定等の具体的な動きは、聞いたことがないので、少なくとも現段階では何も決まっていないように思います。
今回の件は、よく分かりませんが、報道機関は、勇み足で報道するケースや、特許法のことをよく分からずに報道するケースがあります。
 有名なケースでは、日経新聞では、「『ソローの封筒』という出願するだけで先使用権が取得可能な制度を導入する」という記事が掲載されましたが、未だ導入されていません。
 別のケースでは、日経新聞の一面のトップで、「日米欧で特許の出願書類書式を統一。これによって出願費用が数十万円削減できる」との趣旨の記事が載っていました。実務家なら誰でも分かりますが、出願書類の書式を整える作業は、10分もあればできますので、書式が統一されても「出願費用が数十万円削減できる」なんてことある訳ありません。
 別の新聞では、以下のような記事が社説に載っていました。少しでも特許を分かっている人が見れば、吹いてしまうような内容を大真面目で記事にしてしまうようです(審査請求は何時でもできるので、以下の記事は完全に誤りです。)
「◆120年余りがたった今では、特許の出願件数は年間40万件に達する。出願しても実際に審査を請求できるまで3年待たされる。7年かかった数年前より短縮されたとはいえ、特許取得の道は遠い」
こんな感じで、メディアの報道は、特許に関しては信頼性が低いものが多いように思います。

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