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商標出願時に考慮すべき事項(識別力+先行類似商標)

2010.08.24

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商標登録の要件は数多くありますが、商標出願をする際に、通常問題になるのは、識別力の有無と類似商標が存在しているかどうかです。
識別力の有無
商品の品質等を普通に用いられる方法で表す商標は以下の規定によって登録されません。
出願人は商品の特徴を表す商標を選択するのが通常ですので、以下の規定に該当するかどうかは、非常に多くのケースで問題になります。例えば、指定商品が「洗剤」の場合、
商標「白くする洗剤」は、完全にアウトで、
商標「白くナール」もぼぼアウトで、
商標「シロクナール」でもおそらくアウトだと思います。もう少し離れて意味がぱっと分からなくなるようにするとOKになるので、例えば、
商標「シロール」であれば、商品の品質がすぐには思い浮かばないのでセーフの可能性が高いと思います。
商標審査基準に詳しい基準が記載されていますし、過去の審決例が公開されていますので、これらを参照して、いけそうかどうかの判断をする必要があります。
また、この規定は、「普通に用いられる方法で表示」するものにのみ適用されますので、字体を特殊なものにすれば、「普通に用いられる方法で表示」に該当しなくなる場合があります。出願後の商標の補正を行うことは事実上不可能ですので、出願時に字体をどうするか検討する必要があります。
(商標登録の要件)
第3条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
3.その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

先行類似商標

識別力があっても他人が同じ又は類似の商標をすでに登録してあれば、登録されません。
類似商標があるかどうかは、ここで調べることができます。出願する商標の読み方(数通りの読み方が可能であれば、それぞれについて)を入力して、検索実行をすると、類似商標を見つけることができます。
類似商標があっても、指定商品の類似群コードが異なっていれば、引例になりませんので、問題ありません。
自分が指定しようとしている商品と同じ類似群コードの類似商標があった場合は、商標を変更するか、その類似群コードを避けて出願をするか、不使用取消審判を請求してその先行類似商標をつぶすか、などといった対策を取ることができます。
自分が指定しようとしている商品の類似群コードは、ここで調べることができます。商品役務名に指定したい商品の名前を入力して検索実行を押して下さい。
また、探し出した類似群コードに具体的にどのような商品が含まれているかは、ここで調べることができます。
「類」の区分は、料金計算のためだけに用いられるものであって、類をまたがって類似するものもあります。
類をまたがって類似する商品は、ここにリストされています。
(商標登録を受けることができない商標)
第4条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
11.当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第6条第1項(第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

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