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【共同創業】SKIPの奥野弁理士が長崎大学の田中義正先生(ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生と一緒に、年間売上1兆円超のオプジーボを開発された天才研究者)と一緒に、株式会社SCMバイオメディカを共同創業しました。

2023.10.27

奥野 彰彦

SKIPでは、国連の提唱するSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の中でも、9つめの項目である「産業と技術革新の基盤をつくろう」を経営上の目標に掲げています。

そして、SKIPでは、コロナショック+ウクライナショックの影響で混乱が続く現代社会において、災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、みんなに役立つ安定した産業化を進めていくためには、ディープテック®系のスタートアップ(大学や公的研究機関などの最先端の研究成果に基づく新規事業開発)に取り組む起業家+研究者の果たす役割が非常に大きいと考えています。ここで、ディープテック®系のスタートアップとは、大学や公的研究機関などの最先端の研究成果に基づく新規事業開発に取り組むスタートアップを意味しています。

そういうわけで、SKIPでは、大学や公的研究機関などの最先端の研究成果に基づく新規事業開発に取り組むスタートアップの起業家+研究者を支援させていただいております。その第一弾として、SKIPの奥野弁理士の方で、長崎県の地域特性を生かしたアカデミア創薬システムの構築に取り組んでおられる、長崎大学の先端創薬イノベーションセンターの所長をしておられる田中 義正先生の技術シーズを社会実装するためのスタートアップの知財戦略をプレCXOとして支援させて頂くプロジェクトに参加しておりました。

この度、この長崎大学の田中義正先生のプロジェクトの支援の総仕上げとして、田中義正先生と一緒に、株式会社SCMバイオメディカを共同創業させていただきましたので報告させていただきます。長崎大学の田中義正先生は、京都大学でノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生と一緒に、年間売上1兆円超のオプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)という革新的な医薬品を開発された先生です。今後、奥野弁理士としては、さらに革新的ながん免疫療法の実用化に向けて、田中義正先生の研究開発の社会実装のために努力していく所存ですのでよろしくお願いいたします。

株式会社SCMバイオメディカは、国立研究開発法人国立がん研究センター NCC VIP(National Cancer Center Venture Incubation Program)2023年度支援チームとして採択されています。そして、この度、株式会社SCMバイオメディカの設立を記念して、長崎大学の田中義正先生が、国立研究開発法人国立がん研究センター NCC VIP(National Cancer Center Venture Incubation Program)の第III期中間報告会(10/27)で、下記のとおり一部抜粋して引用するように、中間成果報告を行われました。

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NCC VIP(National Cancer Center Venture Incubation Program)とは、国立がん研究センターが保有する研究資源、支援機能をスタートアップ企業に提供し、革新的医療技術の実用化を促進する事業です。

国立がん研究センターの支援機能に加え、Venture Capitalの持つ経営支援機能を補完的に組み合わせることで、がんの革新的医療技術の実用化を目指すスタートアップの成功確率を上げることを目的としております。

対象は国立がん研究センター内部・外部を問わず、がんの治療開発に関係する、医薬、医療機器、メドテックまで幅広くサポートいたします。

第III期中間報告会を開催します(10/27)

NCC Venture Incubation Programは、国内トップクラスのAROである国立がん研究センターによる開発支援と、UTEC、Beyond Next Venturesの国内トップクラスのVCによる経営支援/メンタリング、三井不動産、LI NK-J、日本貿易機振興機構(JETRO)も連携する、革新的な医療技術を開発するスタートアップを支援するプログラムです。

今回は各チームからのピッチとともに、特別講演として国立がん研究センター認定ベンチャーでもあるNoile-Immune Biotech社のCEOでもある山口大学の玉田先生に「アカデミア発スタートアップ企業による創薬事業の取り組み」と題して、アカデミア発ベンチャーでの創薬についてお話しいただきます。

長崎大学先端創薬イノベーションセンター

腫瘍抗原特異的アーリーメモリーT 細胞を標的とした新規がん免疫療法の開発と実用化

がんに対する新規PD-1免疫チェックポイント阻害剤
併用療法の開発と実用化
国立大学法人長崎大学 先端創薬イノベーションセンター 田中義正
対象疾患:がん
カテゴリー:治療薬(新規PD-1免疫チェックポイント阻害剤併用療法)
目標:奏効率が既存のPD-1免疫チェックポイント療法より高く、副作用の少ない新規がん免疫療法を開発し、社会実装する。
背景:図1に示すように、PD-1免疫チェックポイント阻害剤を用いた肺がん治療成績は、化学療法(抗がん剤)より優れているが、その効果はまだまだ改善の余地がある。
本事業開発においては、1年後の治療開発目標ラインを80%以上とする。
競合優位性:図2に示すように、大腸がん治療マウスモデルにおいて、免疫チェックポイント阻害剤単独療法と比較して、本事業開発において用いるPD-1免疫チェックポイント阻害剤併用療法は、奏効率において大きな優位性がある。さらに大腸がんモデル以外でも、種々のがん種で同様の著明な治療効果が確認されている。また、本事業で用いられるPD-1免疫チェックポイント阻害剤併用療法に関しては、知財の申請を日本国だけでなく外国でも行っており、知財面における優位性がある。さらに、本治療法は、副作用が極めて小さいことから、今後のがん治療における大きな転換点となり得る。

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奥野弁理士も一緒に参加させていただきましたが、柏の葉キャンパス駅の近くにある国立がん研究センター東病院って、大学病院並みに大きくてびっくりしました。その横にある研究所の研究設備も非常に立派な感じでしたね。毎年、ものすごい数のがん治療のための臨床試験が行われており、日本のがん治療の研究開発の中心的な存在らしいですね。その後の懇親会では、がん治療の臨床試験をどんなふうにやっているのか詳しく教えてもらえて大変勉強になりました。

株式会社SCMバイオメディカを設立してみると、さっそく多くのVCや事業会社のCVC部門の皆様からシード投資のオファーを頂き、既に複数のVCやCVCとNDA契約を結んで、ビジネス+技術+知財面でのデュー・デリジェンスをしてもらって、マジで驚いている状況です。田中義正先生は、大変お優しい人格者の先生で熱心に研究内容をご説明されるので、投資家の皆様がファンになってくれている感じですね。奥野弁理士もVCなどとの面談によく同席していますが、奥野弁理士の知財戦略についての説明なども、ちょびっとは役に立っているのであれば嬉しいです。

当日は、ピッチを終えて、さらに懇親会にも参加して、奥野弁理士が横浜の自宅に戻ってきたのは午後9時頃でした。千葉の柏の葉キャンパスと横浜の間の移動は片道2時間以上かかって、いやー疲れましたが、充実感がありましたね。その後、ヘロヘロになりながら、本業のSK弁理士法人の仕事をこなして、夜中に冷蔵庫の中にあったヤクルト1000で乾杯して、バタッと倒れるように床につきました。株式会社SCMバイオメディカの設立おめでとう!カンパーイ!ぐうぐう。。。

ここで、ちょびっと広告をさせていただくと、SKIPには、多くの優秀な機械・電機・IT系+化学・バイオ・材料系の弁理士・特許技術者が在籍しておりますので、多くの大学や公的研究機関などの最先端の研究成果に基づく新規事業開発に取り組むスタートアップの知財戦略の立案や特許ポートフォリオの構築を微力ながら支援させていただいていると自負しております。というわけで、大学や公的研究機関などの最先端の研究成果に基づく新規事業開発に取り組むスタートアップの研究者や起業家の皆様におかれましては、新しい研究成果を生み出されたり、新しい製品の開発に成功された際には、ぜひ、SKIPの機械・電機・IT系+化学・バイオ・材料系の弁理士・特許技術者に気軽にご相談をいただき、一緒にSKIPしていただければ嬉しく思います。

また、SKIPでは、機械・電機・IT系+化学・バイオ・材料系の理系修士+理系博士を積極採用しております。弁理士+特許技術者は、大学や公的研究機関などの最先端の研究に取り組んできた経験のある元研究者+元エンジニアが自分の専門スキルを生かして、大学や公的研究機関などの設備に縛られることなく、自由にマイペースで活躍しやすい職業のひとつだと思います。つきましては、機械・電機・IT系+化学・バイオ・材料系の元研究者+元エンジニアの皆様におかれましては、是非、SKIPの求人にご応募をいただければ嬉しく思います!

注:【ディープテック】は、SK弁理士法人の登録商標です。

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