アメリカのQPIDS制度について、新たな事実が分かりました。
QPIDSの手続の流れについては、こちらを参照ください。
過去ブログ: QPIDS実際のところどんな感じ?
今回、弊所のお客様で、初めて「QPIDS後に権利放棄」というケースが発生しました。
(外国で引用された文献が、いわゆる「強い引例」だったのです・・・。)
話の経緯はこんな感じです。
・アメリカで特許査定がでて登録料($1,000)を納付する
・外国OAで新しい先行技術文献(強い)が引用される
・文献をQPIDSする
・審査官が文献を検討した結果、文献が「強い」ので審査再開が必要と判断
・RCEがEnterされる($1,300/$1,900)
・審査再開reopen
・OAが来るが引用文献が強すぎるので権利化断念
そこで、アメリカ代理人に「登録にならなかったんだから、既納登録料($1,000)は返還できるよね?」と質問をしました。
その代理人がUSPTO Patent Legal Office (アメリカ特許商標庁特許法務局)に確認をとったところ、なんと「既納登録料は返還できません。」という回答が返ってきました。
既納登録料の返還請求は、過誤納の場合にしか行うことができないそうです。
上記のケースでは、登録料納付の時点において出願人に納付の意思があり、かつ納付した料金に間違いがないので、返還の対象にはならないというのがその理由です。
確かに、USPTOの「QPIDS よくある質問」には、このように書いてあります。
Q30 審査再開された場合、既納登録料の返還請求はできますか?
「返還請求はできません。もし審査再開後に改めて特許査定になった場合、既納登録料がそのまま登録料に充てられるためです。」
でもでも、これは「審査再開の結果、改めて特許査定になり、最終的に登録になる」ことが前提だと思うのですが・・・。
いまいち納得ができませんが、ルールはルールなので仕方ありません。
by kh
引用 https://www.uspto.gov/sites/default/files/qpids_faq.pdf
FREQUENTLY ASKED QUESTIONS – QPIDS PILOT PROGRAM
Q30. If prosecution is reopened, may I request return of the issue fee? (Posted on 5‐11‐2012)
No. If, however, the application is subsequently again found allowable, upon receipt of a new Notice of Allowance and Issue Fee Due, the previously submitted issue fee may be reapplied toward payment of the issue fee in the amount identified on the new Notice of Allowance and Issue Fee Due.