PCT出願での優先権書類の電子的交換
2010.07.24
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現状では、優先権を主張してPCT出願をした場合、その後に、基礎出願の優先権書類をWIPOに対して提出する必要があります。通常は、受理官庁である特許庁に対して、「優先権書類をWIPOに送っといて」という旨の書面を提出します。電子出願ではできないので、1400円分の特許印紙を買いに行って、それを紙に貼って郵便で提出するということをする必要があります。この書面を受け取ると、特許庁は、優先権証明書という出願書類の写しを作成して、WIPOに対して直接送ります。従って、PCTでは代理人が実際に優先権証明書を扱うことはありません。
電子的に手続きが行えないので、若干面倒です。
新しい制度では、優先権証明書の電子的交換によって優先権証明書の提出が省略できるようになったようです。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/das_new_teishutsuhouhou.htm
これで便利になるかなーっと思って記事を読んでいましたが、従来よりもむしろ面倒な感じです。
手続きとしては、
(1)特許庁に対してアクセスコードを請求
(2)受け取ったアクセスコードをWIPOのサイトに入力して、WIPOに対して基礎出願へのアクセス権を付与
(3)PCTの願書において、「優先権書類は、JPOからもらっといて」という請求を行う。
という三段階のステップが必要になります。
従来は、1ステップで全てが終わっていたので、ある意味では従来よりも面倒かもしれません。
未確認ですが、おそらく特許印紙代の1400円が不要になって、その点はメリットだと思いますので、うちの事務所でも、新しい手続きを導入してみようかと思います。