【知財セミナー】奥野弁理士が、東京都 大学発スタートアップ創出支援事業の「スタートアップ知財セミナー」で講師をつとめました。
2025.03.17
奥野 彰彦
奥野弁理士が、2025年3月17日(月) 、東京都 大学発スタートアップ創出支援事業の「スタートアップ知財セミナー」で講師をつとめました。
東京都は、「未来を切り拓く10x10x10のイノベーションビジョン」を掲げ、グローバルに活躍するスタートアップの創出や、スタートアップの裾野拡大を目指していおられます。その取組の一つとして、令和5年度から、知の拠点である大学が集積する東京の強みを活かし、研究シーズやアイデア等の事業化をサポートする「大学発スタートアップ創出支援事業」を開始し、これまでに10 大学を採択しておられます。
そして、SKIPが戦略的事業提携をしているReGACY Innovation Groupは、本事業のコーディネーターとして、大学にハンズオン支援を提供することで、スタートアップ創出のための大学の仕組みづくりに貢献しておられます。
この東京都 大学発スタートアップ創出支援事業のCreation of University Startups Collegeのプログラムは、一方的なレクチャーのみではなく、先輩起業家や弁理士法人、VCなど、創業までの間でネットワーキングを目標として、研究・事業開発の速度と質にクリティカルとなるステークホルダーとの関係性構築の機会を提供しておられます。その一環として、スタートアップ知財セミナーという形で、大学発のスタートアップの知財戦略に精通した弁理士法人(SKIP)とVCによる公開メンタリングを通じた活きた知財知識のインプットを実施するという目的で、スタートアップ知財セミナーの講師をつとめさせていただきました。
当日は、ReGACY Innovationsの桶谷さんと、SKIPの奥野の対談という形で、下記のような項目についてパネルディスカッションをさせていただきました。
Q-1 特許出願と論文発表のタイミングをどう調節すればいいですか?
Q-2 大学で生まれた研究成果の権利は誰に帰属しますか?
Q-3 共同研究で生まれた成果の権利配分はどう決まりますか?
Q-4 知財出願や維持にはどれくらいの費用がかかりますか?
Q-5 スタートアップで知財をどう活用すれば競争優位を築けますか?
Q-6 海外でも特許を取得すべきですか?
ReGACY Innovationsの桶谷さんの司会進行が上手だったのもあり、さらに、いずれのテーマも、東京都内の大学でスタートアップの起業支援をしておられる産学連携部門の先生方としては、興味津々の内容だったようでして、対談の間も、多くの質問が出て大変に盛り上がりました。奥野も、研究者の先生方の熱意あるご質問を受けて回答を差し上げましたが、これは、間違いなく、東京都内の大学発のスタートアップのエコシステムは、これからどんどん成長していくだろうなという確信を抱きました。
現在、下記の9大学が採択され、大学発のスタートアップの起業支援を熱心に行っておられます。SKIPも、いつくかの大学発のスタートアップの起業における知財戦略の支援をさせていただいておりますが、いずれも面白い技術シーズの実用化をめざすプロジェクトばかりで、楽しいですね!
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支援内容
東京都からの支援
以下の上限額を目処とする経費支援を実施(※上限額は見込み)
令和6年度
事業化促進型2,500万円、環境構築型:3,150万円
令和7年度
事業化促進型5,390万円、環境構築型:7,590万円
ReGACYからの支援
メンタリングによる隔週1時間の伴走支援、特許事務所・弁護士などの専門家の紹介、VC・他大学などとのネットワーキングを通じて、事業化促進型・環境構築型のそれぞれについて、経費を活用した以下のような大学等の各種施策を支援
事業化促進型:ギャップファンドの構築、EIR人材獲得・組織構築、新株予約権の設計・運用支援、アクセラレータープログラムの構築、ギャップファンドの構築 など
環境構築型:専任人材の獲得、シーズ探索およびシーズリスト構築、アクセラレータープログラムの構築、スタートアップ推進組織の設計・構築、ソーシング&シーズリスト構築 など
採択大学※五十音順
上智大学
<環境構築型>
◆社会課題に挑む課題解決型国際共創ハブ拠点
・全ての人を真に包摂する共生、共創、共働のためのビジネスの創出を目指す、有望な研究シーズの事業化モデルの調査・分析と専門人材の配置等の環境構築
中央大学
<環境構築型>
◆若者の起業への挑戦を力強く後押しする包括的支援
・単なるアイデアや興味関心で終わらせない包括的なスタートアップ創出基盤の整備、若者の起業への挑戦を力強く後押しするアントレプレナー育成環境の構築等
筑波大学
<事業化促進型>
◆資金循環エコシステムの構築によるスタートアップの創出加速
・ギャップファンドによる伴走支援及び知財の取得・活用とリンクした起業支援体制の強化
東京科学大学
(旧東京医科歯科大学)
<事業化促進型>
◆持続的かつ強靭な社会を目指す産学官連携共創の育成
・起業関連の相談を受け付ける専門家の充実、学内アイデアソンで選ばれたテーマへの GAP ファンドの充実、インキュベーション設備の運用環境の充実、海外プログラムへの参加促進を通じた起業支援
東京電機大学
<環境構築型>
◆発明の社会実装拡大による社会貢献
・大学発スタートアップを立ち上げるサポート体制の模索及び実用性が高く社会実装化が比較的短期間で見込めるシーズに対するアクセラレータープログラムを適用できる体制の構築
東京農工大学
<環境構築型>
◆「農×食×エネルギー」のグローバル・スタートアップ・ハブ
・世界規模の新市場創出の戦略策定と市場オリエンテッドなシーズリスト構築等を通じて、国際産学官連携のハブとなり、地域とともにスタートアップ事業を世界に波及させるモデルを創出・発信
東洋大学
<環境構築型>
◆他者のために奮闘するスタートアップの創出
・スタートアップ成⻑の「シードステージ」の前段階となる「スタートアップ予備軍からプレシード(前半)」での⽀援の充実を図る取組に重きを置い
た環境構築
一橋大学
<環境構築型>
◆多摩地域発社会課題解決型スタートアップの創出
・多摩地域の大学、自治体、企業、金融機関、地域住民などを巻き込んだインパクトスタートアップエコシステムの構築及びスタートアップを担う人材の育成・支援
明星大学
<環境構築型>
◆「ものづくり・しくみづくり・DX」による地域イノベーション創出
・ワンキャンパスの総合大学の強みを活かし、「ものづくり・しくみづくり・DX」で社会課題を解決したい学生の自立した起業活動を支援する環境を整備