ブログ

先日、休暇を取ってホテルに宿泊しました。そこのホテルは、部屋と食事の内容の割には安価で、宿泊する前には、Webの内容と実際の内容が異なっているのではと、少々不安でした。実際に宿泊してみると、部屋・風呂・食事に関して全く申し分なく、素晴らしい内容でした。その一方で、
・ホテルの人が玄関に出迎えに来たり、部屋までついてくることがない
・和室だけど、布団は自分で敷く
・部屋の清掃は、２日に一度
・露天風呂がない
という点が特徴でした。
部屋までの荷物の搬送、部屋の清掃、露天風呂の清掃は、いずれも多大な人件費がかかるものであり、これらを省くことによって、安価に高品質のサービスを提供することを可能にしているようでした。
おそらく、多くの人にとって、部屋・風呂・食事は妥協することができず、その点が少しでも劣っていると満足度を低下させるが、それ以外の点については、むしろ経費を削減して料金を下げることを優先すべきであるという結論になったのでしょう。このような考えぬかれた経費削減には好印象を持ちました。
弊所でも、給与や品質を落とさずに、安価でサービスを提供するために日々努力しています。
具体的には、以下の点で経費を抑えています。
・年賀状・お歳暮・お中元を行わない
　これらの項目は、クライアントとの繋がりを強化する重要な面もありますが、サービスの内容には、直接関係しませんので、廃止しました。
・接待を行わない
　弊所では、高級なクラブやゴルフなどでお客様を接待したことは一度もありません。打ち合わせが夕方に終わった時には近所の居酒屋に飲みに行くことはたまにありますが、それでもせいぜい月に１度も無い程度です。お昼前に打ち合わせが終わった後に、ランチを一緒に食べに行くことは多く、短い時間で有意義な意見交換ができています。
・海外出張は最小限にする
　海外営業・国際会議への参加などは時間・経費が膨大にかかるので、現時点では最小限にしています。現時点は提携先事務所とは非常に安定した関係を築けていますし、外国から弊所に来ていただくお客様が多いので、その機会に意見交換でき、高額な経費をかけて海外出張する必要性を感じていないという点もあります。また、弊所のHPを見たり、弊所顧客からの紹介で依頼を頂くことも多いですので、その観点からも海外営業は現状は控えています。。
・営業経費を最小限にする
　以前にGoogle Adwordsを使ったことがあり、弊所HPへのアクセス数は非常に多くなりますが、経費が膨大にかかってしまいます。また、クリックした人がどれほどの興味を持ってクリックしたのかが不明で、営業効果が分からなかったのでやめました。その分、HPへのアクセス数は減ってしまいますが、それを補うために、HPの内容を充実させること、関連ブログの内容を充実させることにしました。その御蔭で、現在では、Google Adwordsを使っていたときよりも多くのアクセスがあります。また、検索によってヒットした弊所の記事を通じたアクセスが多いので、良質の記事を書いておけば、弊所のファンになってもらえる可能性が高まると期待しています。
　現状は、この４年ほど営業経費を全く使わずに、フル稼働の状態が続いています。その間に売上が約３倍になっています。今のところ、費用をかけて営業を行う必要性は感じていませんが、優秀な所員が数名入所予定ですので、処理能力と仕事量にギャップが生じそうになれば、もう少し積極的な営業が必要になるかも知れません。
・オフィスコストを最小限にする
　オフィスコストは、非常に大きな経費項目であり、売上の５％以内に抑えることを目標としています。現状は、非常に費用対効果の高い物件に入居しており、売上の３％以内に抑えられています。
一方、「投資」には、費用をかけています。
・事務システムの強化
　弊所ではPatDataという業務システムによって期限管理等を行っていますが、このソフトは、導入費用が高額であり、今年の前半までは１ライセンスで業務を行ってきました。今年は、事務の効率化をより一層進めるために、共通パソコン２台と、事務・経理担当のパソコン６台に、PatDataを導入することにしました。追加ライセンス費用が必要になりましたが、各所員が自分の机で作業を完了させることができることによる効率化によって、追加ライセンス費用以上のメリットがあると判断しました。
・各種資格試験補助
　弁理士試験・語学試験・ＩＴ試験などについては、合否に関わらず、受験料を半額補助、合格の場合には全額補助を行っています。また、予備校受講料など年間１０万円を限度に補助を行っています。
・超近距離手当
　弊所のオフィスから徒歩圏内に住んでいる所員には一律２万円を至急しています。これによって事務所の近くに住んで、通勤疲れによる業務効率低下を防いでいます。
・大型ディスプレイ・高解像度ＰＣ
　ディスプレイは、全員２７型の高解像度のものを支給しています。PCも最新型のものを支給しています。大型ディスプレイ・高速PCは、そのコストの割に、業務効率改善への効果が非常に高いと考えています。
以上のように、弊所では、営業などの経費を出来るだけ抑えつつ、業務効率の向上に繋がる投資には多くの費用をかけることによって、給与や品質を落とさずに、安価でサービスを提供することを可能にしています。