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23年法改正ざっくり6 無効審判の確定審決の第三者効の廃止

2012.03.12

伊藤 寛之

特許法等の一部を改正する法律(平成23年6月8日法律第63号)
平成23年法律改正(平成23年法律第63号)解説書
第1章 通常実施権等の対抗制度の見直し
第2章 冒認出願等に係る救済措置の整備
第3章 審決取消訴訟提起後の訂正審判の請求の禁止
第4章 再審の訴え等における主張の制限
第5章 審決の確定の範囲等に係る規定の整備
第6章 無効審判の確定審決の第三者効の廃止
(審決の効力)
第百六十七条特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。


167条は、「一事不再理」と呼ばれており、特許権者の負担を考慮して、誰かがある公知文献に基づいて無効審判請求を行い、下手くそな主張立証のために負けてしまった場合、その他の人も、同じ公知文献に基づいて無効審判請求を行うことが禁じられていました。同じ公知文献に基づいて何度も無効審判請求を起こされるのは、特許権者にとってはたまったものではないので、その応訴負担を軽減すべく、167条が規定されていました。
今回の改正では、無効審決確定の効果が当事者及び参加人にのみ及ぶことになりました。無効審判は、請求する側も費用と手間がかかりますし、身分を明かす必要があるので、同じ特許に対して同じ理由で色々な人が無効審判を請求することは考えられないと思われますので、このように改正しても、特許権者の応訴負担が過度に増えることはないと思います。
第7章 料金の見直し
第8章 特許料等の減免に係る関係法令の見直し
第9章 発明の新規性喪失の例外規定等の見直し
第10章 出願人・特許権者の救済手続の見直し
第11章 商標権消滅後一年間の他人の登録排除規定の廃止

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