[Irish Nail](指定商品:ネイルケア美容)は識別力あり
2012.09.14
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1 本件商標
本件登録第5455839号商標(以下「本件商標」という。)は、「Irish Nail」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年6月13日に登録出願、第44類「ネイルケア美容,爪のカット・甘皮の処理・やすりがけ・マッサージ・パック・ネイルアートを主とする手又は足の美容,ネイルアート,インターネットを用いて行う美容院・エステティックサロン・ネイルサロンに関する予約の媒介又は取次ぎ」を指定役務として、同年11月16日に登録査定、同年12月9日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議申立ての理由の要旨
本件商標は、「Irish Nail」のローマ字(標準文字)を普通に用いられる方法で表示したにすぎないから、指定役務中、アイルランド産の原材料を使用して若しくはアイルランド風等何らかがアイルランドに由来する「ネイルケア美容,爪のカット・甘皮の処理・やすりがけ・マッサージ・パック・ネイルアートを主とする手又は足の美容,ネイルアート,インターネットを用いて行う美容院・エステティックサロン・ネイルサロンに関する予約の媒介又は取次ぎ」に使用しても役務の質を表示するにすぎず、自他役務の識別標識として機能を果たし得ない。また、該役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
本件商標は、「Irish Nail」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「Irish」は、「アイルランド人。アイルランドの。アイルランド人の」の意味を有する語であり、また、「Nail」は、「くぎ,びょう,(手・足の)指のつめ」の意味を有する語(甲1ないし甲3)であるとしても、「Irish Nail」、「アイリッシュネイル」又は「アイリッシュネール」等の文字が、登録異議申立人の主張するような意味合いを理解させるような事情もなく、また、本件指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表すものとして、一般に使用されている事実を発見することができなかった。
そうすると、本件商標は、その指定役務に係る役務の質等を直接的に表示したものとして認識されるとはいえないものであり、むしろ、役務の特定の質等を表示しない一連の造語としてのみ印象付けられて取引に資されるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その指定役務にかかるいずれの役務について使用しても、役務の質等を表示するものではなく、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、役務の質について誤認を生じさせるおそれもない商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、本件指定役務について商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。