「松尾研・高専発スタートアップ」とは、高専出身者が創業または松尾研の支援を受け創業された企業の内、技術・事業力共に成長可能性が認められ、且つ松尾研の理念に共感し共に後進の育成に取り組む、選抜された高専発のスタートアップ企業群です。
【採択2号】SKIPが運営するSuper Kosen Innovation Program 2023に、モンゴル高専→長岡高専→松尾先生主催のDCON第一回優勝→東大進学のオドンチメド・ソドタウィランが創業したIntegrAIが採択されました
2023.04.12
SKIP
SKIPでは、国連の提唱するSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の中でも、4つめの項目である「質の高い教育をみんなに」と、9つめの項目である「産業と技術革新の基盤を作ろう」を経営上の目標に掲げています。
そして、現代の理科離れが嘆かれる日本社会において、再び、高度成長期のような世界に冠たる産業と技術革新の基盤を再興するためには、質の高いSTEM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学))教育をみんなに提供する、日本独自のSTEMに特化した教育機関である【高専(高等専門学校)】の出身者の果たす役割が非常に大きいと考えています。
そこで、SKIPでは、高専出身の起業家+研究者を支援するために、Super Kosen Innovation Program(登録商標)という独自のプログラム=勝手アクセラレータを運営させていただいております。もっとも、SKIPには、まだ十分な資本力がないために、無理なく支援できる社数ということで、毎年1社に支援枠を限定させていただいております。
昨年につづいて、第二弾ということで、東大FoundXの中の人たちからの推薦などを受けつつ、厳選な選考をさせていただきました。そして、このたび、Super Kosen Innovation Program 2023の支援先に、モンゴル高専→長岡高専→松尾先生主催のDCON(全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト)第一回優勝→東大に進学したオドンチメド・ソドタウィランが、モンゴル高専から一緒に日本の長岡高専にやってきて電気通信大学に進学したバヤルバト・ノムンバヤスガラントと一緒に創業した株式会社IntegrAIが採択されましたので報告させていただきます。
すでに、SKIPの方で株式会社IntegrAIの支援を開始しており、単なる知財戦略の支援にとどまらず、日本におけるワーキングビザ(経営者ビザ)の取得の支援や、SKIPの方でスタートアップ企業のためにハードウェアおよびIoT系の試作開発を支援してくれる企業をとりまとめた、Shisaku Kaihatsu Innovation Platform(略称 SKIP)などを通じた、ハードウェアの設計支援などもしております。
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株式会社IntegrAIは、長岡高等専門学校(新潟県長岡市)発のAIスタートアップ企業です。
取り付けたカメラとディープラーニングを利用し、アナログメータやデジタルメータ、制御盤などの情報を定期的にデジタルデータ化し、蓄積し遠隔監視するシステム「IntegrAI camera」を提供しています。
長岡高専で教員を務める矢野昌平と、モンゴルからの留学生として在学していたオドンチメド・ソドタウィラン、バヤルバト・ノムンバヤスガラントの3名で、AI技術を活用したものづくりのアイデアコンテスト「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)」へ出場して優勝したことをきっかけに創業。高専を卒業後、東京大学と電気通信大学へ進学し、研究をしながら事業の展開を進めております。
IntegrAI cameraとは?
『IntegrAI camera』は、AIを搭載したカメラシステムで、製造機器のメータが示す数値等を自動データ化するシステムです。当社が独自に開発したAIの画像認識技術により、読み取ったメータ画像を高頻度で即時データ化、グラフによるデータの可視化や、異常が発生した場合のアラート通知が可能になります。使用している製造機器に取り付けるだけでデータの取得ができるようになるため、現場への少なく設置することができます。
従来は人の目で行っていた見回り・点検業務のDXにより商品の品質管理や業務時間の削減や、稼働傾向の把握により省電力/稼働コストの削減を実現します。
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松尾研究室の重要なミッションの一つは,ベンチャー起業を排出し、新技術を社会に還元することで、新しい産業のエコシステムを作り上げることです。学生・教員・スタッフ問わず、起業することを推奨・支援しており、過去には,研究室の教員・スタッフや学生達が起業に関わったベンチャー企業がいくつも社会に輩出されています。
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ハードウェアおよびIoT系ののスタートアップでは、ハードウェアおよびIoT系の試作開発の過程で生まれてくる知財をタイミングよく権利化していくことが重要になります。そのため、SKIPのように、試作開発のプラットフォームと、知財戦略の支援を組み合わせた支援の枠組は非常に有効であると考えています。このように、ハードウェアおよびIoT系のベンチャー起業を輩出し、新技術を社会に還元することで、新しい産業のエコシステムを作り上げることができれば嬉しく思います。今後1年間にわたって、SKIPのハードウェアおよびIoT分野での特許実務の経験が豊富なメンバーが、しっかりと知財戦略をサポートさせていただきます。その結果、このSuper Kosen Innovation Programから、高専出身の優秀な起業家の成功事例を輩出できれば、大変うれしく思います。ちょっとアジってみると、こんな感じです。モンゴル高専のみんな、日本に留学して東大大学院に進学して、起業しようぜ!
ついでに、その際、SKIPを使ってもらえれば嬉しいです(と、ちょっと下心があったりして・・・)。SKIPには、多くの優秀な元研究者の理工系の弁理士・特許技術者が在籍しておりますので、いわゆる【理工系による理工系の理工系のための経営】を実現することができていると自負しております。というわけで、高専出身の研究者や起業家の皆様におかれましては、新しい研究成果を生み出されたり、新しい製品の開発に成功された際には、ぜひ、SKIPの理工系の弁理士や特許技術者に気軽にご相談をいただき、一緒にSKIPしていただければ嬉しく思います。
また、SKIPでは、高専出身者+理系修士+理系博士を積極採用しております。高専から一流の理工系大学院に進学された理工系の修士または博士も、もちろん大歓迎です。高専出身の弁理士+特許技術者は、いわゆる高専出身が自分の専門スキルを生かして、工場や研究所などの設備に縛られることなく、自由にマイペースで活躍しやすい職業のひとつだと思います。つきましては、高専出身の元研究者+元エンジニアの優秀なエンジニアの皆様におかれましては、是非、SKIPの求人にご応募をいただければ嬉しく思います!