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国際調査報告を利用した特許性の見極め(特許取得を目指すか?ノウハウとして隠すか?)

2010.07.17

伊藤 寛之

以前に費用や審査請求期限などの関係から国際出願で自己指定をすることのメリットについての記事を書きました。
国際出願では、これ以外のメリットとして、日本の審査官が非常に早く実質的な審査を行ってくれるというメリットがあります。国際調査報告では、優先日から3ヶ月と国際出願日から9ヶ月のうちの遅い方の日付までに日本の審査官が新規性・進歩性の判断を行ってくれるからです。
この出願が日本に移行された場合には、同じ審査官によって審査される可能性が高いので、国際調査報告での新規性・進歩性の判断の結果は、かなり信頼性があるものであると言えます。ただし、記載不備についての審査はされないので、国内移行後の審査では、記載不備について新たに拒絶理由が発せられる可能性があります。
国際調査報告で挙げられた引例を見て、特許になる見込みが低いと判断した場合には、公開前に国際出願を取り下げれば、公開されることなく技術をノウハウとして保持することが可能になります。一方、特許性の見込みが判断した場合は、そのまま、各国に移行して各国で権利化を目指すことができます。
国際出願には20万円がかかりますが、国際出願を日本に国内移行した場合には、審査請求料が安くなるので、見かけほどの費用負担ではないと思います。
中小企業であれば、早期審査が受けやすいので、外国での権利化を考えていない場合には、早期審査を利用した方がいいかも知れません。中小企業でない場合は、早期審査の要件が厳しいので、いきなり国際出願として、特許性を見極めた上で、特許取得を目指すか、ノウハウとして保持するかの判断を行うのがいいように思います。

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