【スタートアップ支援】奥野弁理士が審査・評価・支援委員(知財専門家)をつとめる農水省AgriFoodSBIRの総額467億2千万円のスタートアップ向けファンドの第2回公募の採択結果が公表されました。
2024.10.08
奥野 彰彦
SKIPの奥野弁理士は、実は、20歳頃まで山奥の限界集落で農業・林業の家業を手伝い、薪割りや炭焼などをして、五右衛門風呂に入るような生活をしていたため、田舎が大好きです。そのため、SKIPの奥野弁理士は、個人的なライフワークとして、いわゆるAgri Tech+Food Tech+Climate TechなどのDeep Tech®と呼ばれる領域のスタートアップの知財戦略の支援を行っています。
その一環として、SKIPの奥野彰彦弁理士は、農水省AgriFoodSBIRが昨年から立ち上げられた、総額467億2千万円のAgriFood分野のスタートアップ向けのファンド(Climate Techも助成対象 補助率100% 限度額 150億円)の審査・評価・支援委員(知財専門家)に就任させていただいております。
このたび、この農水省AgriFoodSBIRによる、総額467億2千万円のAgriFood分野のスタートアップ向けのファンド(Climate Techも助成対象 補助率100% 限度額 150億円)の第2回公募の採択結果が公表されましたので、こちらのブログでもお祝いさせていただきます。
応募件数:129件(事業者数:147社)
採択:13件(事業者数:16社)
というわけで、今回も、非常に多くのAgriFood系のスタートアップにご応募いただき、ぶっちゃけ、大量のスタートアップの財務諸表、技術シーズ、特許ポートフォリオ、経営陣の履歴書などを精査させていただくのは、週末を何度も潰しての作業となり、やりがいはありましたが、かなり大変な仕事ではありました。もっとも、おかげさまで、AgriFood系のスタートアップの事業戦略+研究開発戦略+知財戦略に、さらにめちゃくちゃ詳しくなれちゃったのは嬉しかったです。
第2回の公募で採択されたのも、いずれも、日本を代表する錚々たるAgriFood系のスタートアップばかりであり、この政策の支援を得て、いずれも数億円から数十億円の100%助成を得て、さらに農水省が選んだ腕利きの経営コンサルタントや技術コンサルタントやベンチャーキャピタリストや弁護士や弁理士や会計士などの専門家の支援も受けることになりますので、ますます成長されそうな気がします。小生が、浅学非才の身ながら、多少なりともこの政策に貢献できたのであれば嬉しく思います!
とりあえず、奥野弁理士は、本日は代官山のオフィスに出てきていたので、午後7時ころまで仕事をして、無事に本日の特許出願などが完了したことを確認してから、オフィスのウォターサーバーで水をコップに入れて乾杯をしたようです。もっとも、今回も、やったぜ!いえーい!という感じではなくて、お国のために重責をなんとか果たしたという感じで安堵の気持ちのほうが強かったようです。
下記の点が、今年も評価項目に入っておりましたので、奥野弁理士は、しっかりとしたビジネスモデル+知財戦略を立案されているかどうかを中心に審査・評価を行うように気をつけたようですね。
競争優位性
技術的優位性
・ 保有技術に新規性/先進性/独自性/優位性があり、 他社と比較して競争力が期待できるか。
・ 実証成果を活用したプロダクト/サービスの模倣障 壁を築くための戦略(知財戦略など)が適切に講 じられているか。
・ 技術的な模倣障壁を構築することができている か、もしくは実証を通して構築できる見込みがあ るか。
ビジネスモデルの優位性
・ ビジネスモデルに新規性/独自性/優位性があり、他社と比較して競争力が期待できるかターゲットとする市場において、売上の拡大や収益性の確保、シェアを獲得するための戦略が適切に講じられているか。
また、今回、第2回公募で採択された13件(事業者数:16社)の中には、SKIPのクライアントも含まれておりますが、コンフリクト=利益相反を避けるために、奥野弁理士は、SKIPのクライアントの審査からはきちんと外れたようですね。今回のお仕事は、日本のAgriFood分野のスタートアップの方向性を左右する公的な役職になりますので、公平・中立に対応しないといけないな・・・と考えて、そのように対応したようですね。
いずれにしましても、採択されたAgriFood系のスタートアップの皆様、おめでとうございます!
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農林 水産 省 中小 企 業イ ノベ ー ショ ン 創出 推進 事 業の 第 2回 公募の採択結果について
農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業の第2回公募について、採択審査を行ったところ下記の通りの結果となりましたので、お知らせいたします。
記
・応 募 件 数:129件(事業者数:147社)
・採 択: 13件(事業者数:16社)
テーマ※3 事業計画名※1 事業者名 交付限度額(千円)※2
●A 気候変動対策を可能にする拡張ゲノム編集 技術 によ る新種苗の開発・ 実証
グラ ンド グリ ーン株式会社 929,683
●B データ駆動型プラットフォームによる育 種ビ ジネスの革新
ListenField 株式会社 311,787
株式会社 フィ トメトリ クス 245,070
株式 会社Quantomics 155,400
●C みどりの食料システム戦略実現に寄与する大規模有機ス マート農場の開発
株式 会社トクイテン 1,174,996
●E 革新 的乾 燥技 術「過 熱 蒸煎 機 」に よる、りんご搾汁残渣を活用した新たなエコフィード飼料の開発と経済合理性の確立
ASTRA FOOD PLAN 株式会社 904,010
● H 森林由来のリグニン系新素材及びその樹脂組成物の大規模製造に向けた技術実証
株式会社木質素研究所 2,185,200
● K 輸出促進を実現するウニの短期実入改善システムの構築
株式会社北三陸ファク トリ ー 920,198
株式 会社カロリアジャ パン 16,562
● L 玄米粉を高配合した完全栄養パンの開発による国産米粉原料の新規需要創出
ベースフード株式会社 1,878,011
●L 穀物のマイナス温度下における乾式超微粉粉砕法の製造技術の実証
株式会社フィット&リカバリー 997,019
●M 調理/盛付/食器仕分け業務の自動化とアプリによるメニューパーソナライズ、AIを活用した 厨房オペレーション最適化を通じた次世代スマート食堂の
社会実装
TechMagic 株式会社 2,411,925
●N お米生まれ麹育ちの機能性マイコプロテインの商用確立
Agro Ludens 株式会社 1,065,898
●N 未利用バイオマス発酵技術を活用したアップサイクルグリーンフード素材の量産実証
株式会社ファーメンステーション 503,344
●N 農産物粉末化技術のスケールアップおよび未利用食品粉末活用の実証
株式会社グリーンエー ス 429,402
●N リアルな肉に近似な次世代食品の実現に向けた実装化計画
ディーツフードプランニング株式会社 675,406
※1 採択に際して事業内容に条件を付しているものがあり、補助事業の実施はこの条件を満たすことを前提としております。
※2 交付限度額は、各プロジェクトの実施期間(最長令和 9 年度まで)中に交付される上限金額を示しています。実際には、毎年度行われる事業の進捗評価や、実証段階が進む際に行われるステージゲート審査の状況次第で、交付される額が交付限度額に達しない可能性があります。
※3 公募テーマは以下の通りです。
A 新たな育種技術を活用した画期的な農畜林水産物の開発・実証
B 品種開発力を強化するスマート育種技術の開発・実証
C 農作業の自動化・効率化のための革新的スマート農業技術・サービスの開発・実証
D 温室効果ガスの削減等に資する農業技術実証
E 新たな飼料及び増産機械の活用等による革新的国産飼料生産・流通・利用技術の実証
F スマート技術を利用した画期的畜産技術の実証
G 林業の自動化・遠隔操作化等に向けたスマート技術の実証
H 林産物高度利用の社会実装に向けた技術実証
I 持続可能な養殖業の発展に向けた魚粉代替原料等を用いた養魚飼料等の開発・実証
J 資源評価・管理から生産・加工・流通に至る革新的スマート水産技術の開発・実証
K 日本産農林水産物・食品の輸出を加速化する生産・流通システムの開発・実証
L 穀物の新規需要を創出する製造技術の実証
M 食品産業において活用するスマート技術の開発・実証
N バイオ技術等(フードテック)の実証を通じた新しい食品・飼料の開発・実証
O 革新的な製造技術等を活用した画期的な動物用ワクチン等の開発・実証
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てなわけで、いわゆるAgri Tech+Food Tech+Climate TechなどのDeep Tech®分野の知財戦略についても、どうぞ、気軽にSKIPにご相談を!個人的に、農業・林業・水産業・食品産業などの分野のスタートアップの知財戦略に対する解像度の高さ(田植えや稲刈りや下草刈りや炭焼きや薪割りや五右衛門風呂の沸かし方などに対する解像度の高さも!)には自信がありますので、ご安心ください。
注:Deep Techは、SK弁理士法人の登録商標です。