【SKIPの知財教室(IP Hack ®)】じっくり®法解説 Claim #11 特許・実用新案・意匠・商標の早期審査や優先審査について解説
2025.06.12

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特許・実用新案・意匠・商標の早期審査や優先審査について解説
知的財産権の取得において、「どれだけ早く権利化できるか」は、事業戦略や競争優位の確保に大きな影響を与えます。特許、実用新案、意匠、商標といった各種の出願において、特許庁では早期に審査や審理を受けるための各種制度が整備されています。
本記事では、早期に審査や審理を受けるための制度の特徴や対象などについて解説します。
特許・実用新案
特許出願の中には、早期の権利取得が求められるケースがあります。例えば、製品化を急いでいたり、模倣品の発生リスクがあったり、補助金申請の要件として特許取得が必要であったりする場合です。
こうした出願人のニーズに応えるため、特許庁では「早期審査制度」「早期審理制度」「優先審査制度」を設けています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
早期審査・早期審理
早期審査・早期審理制度とは、一定の要件を満たす出願について、出願人の申し出に基づき通常よりも早く審査・審理を行う制度です。
対象となる出願は下記のとおりです。
a)中小企業、個人、大学等の出願
b)外国関連出願
c)実施関連出願
d)グリーン関連出願
e)震災復興支援関連出願
f)アジア拠点化推進枠関連出願
上記以外でも、第三者がすでに当該発明を業として実施している場合には、早期審理の対象となります。
スーパー早期審査
スーパー早期審査制度は、特許庁が設ける最も迅速な審査制度です。通常の早期審査よりさらに早く、申請から一次審査までを原則1ヶ月以内、さらに意見書や手続補正書の提出後も1ヶ月以内に二次審査が行われます。
短期間での権利取得が必要な出願人にとって、非常に有効な制度です。
次の (i)および(ii) の条件を両方満たす特許出願が対象です。
(i)以下のいずれかであること
- 実施関連出願かつ外国関連出願である出願
- スタートアップによる出願であって、実施関連出願である出願
(ii)オンライン手続を行っていること
スーパー早期審査の申請前4週間以内に実施されたすべての手続がオンラインで行われていること
優先審査
優先審査制度は、出願公開後に第三者が当該発明を業として実施している場合に、その紛争を早期に解決する必要がある出願を対象とした制度です。
通常の審査順よりも前倒しで審査が行われ、出願人の権利保護を迅速に図ることができます。
優先審査を希望する場合は、「優先審査に関する事情説明書」を提出します。
この書類には、以下の情報を記載・添付する必要があります。
- 出願人自身による発明の実施状況
- 第三者による実施の事実と、それによる影響
- 警告状の写し
- 第三者の実施を証明する資料(例:類似商品や販売証拠)
意匠
意匠(デザイン)の出願では、製品の製造・販売といった実施が早期に行われるケースが多く、権利化される前に模倣品が出回るリスクも高いため、迅速な審査が求められます。
そうした背景から、特許庁では、早期の権利取得を希望する出願人のために「早期審査・早期審理制度」を用意しています。
商標
商標出願においては、出願から登録までに一定の期間がかかりますが、ビジネス展開のスピードに合わせて早く商標権を取得したいケースも多くあります。
そこで特許庁では、一定の要件を満たす場合に、審査・審理を通常よりも早く実施する「商標早期審査・早期審理制度」を設けています。
特許審査ハイウェイ
特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway:PPH)は、ある国(第一庁)で出願された特許が「特許可能」と判断された場合、その情報を活用して、他の国(第二庁)での審査を簡易かつ迅速に進めることができる制度です。
例えば、日本で特許可能とされた発明について、アメリカなどの他国でも同じ内容で出願している場合に、PPHを利用することで、通常よりも早い審査を受けることができます。
日本が特許審査ハイウェイ(PPH)を実施している国・地域は下記のとおりです。
| 地域 | 対象国・地域 |
| 北米・南米 | 米国、カナダ、メキシコ、コロンビア、チリ、ブラジル、ペルー |
| ヨーロッパ | 英国、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、ポーランド、ポルトガル、オーストリア、
フィンランド、チェコ共和国、ルーマニア、ハンガリー、アイスランド、ノルウェー、 ユーラシア特許庁(EAPO)、ヴィシェグラードグループ(V4) |
| アジア・オセアニア | 韓国、中国、台湾、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、
ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド |
| 中東・アフリカ | イスラエル、サウジアラビア、モロッコ、エジプト |
早期権利化は知財戦略の要
早期審査制度や特許審査ハイウェイなどを活用すれば、知財の価値を最大化しながら、競合より一歩先を行くビジネス展開が可能です。ただし、それぞれの制度には細かな要件や戦略的判断が求められます。
SK弁理士法人では、出願戦略から申請手続きまで丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

