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共同直接侵害が否定された事件(Golden Hour Data Systems, Inc. v. emsCharts, Inc. and Softtech )

2010.08.11

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ネットワーク関連発明などでは、複数人が発明の実施に関与していて、全体で見ればクレームの構成要件の全てが実施されていますが、各人の行為を見ると、誰もクレームの構成要件の全てを実施していないということはよく起こります。この場合の処理としては、複数人のうちの一人がリーダーで、それ以外の人がその手足として動いているなどといった理屈で共同直接侵害が認定されることもレアケースですがあるようです。
Patently-oに共同直接侵害が否定されたという記事が載っていました。
NO JOINT INFRINGEMENT despite Strategic Partnership, Joint Distribution Agreement, and Packaged Sales
この事件では、IDS違反によるInequitable conductも争われています。
IDS違反によるInequitable conductの要件は、文献の重要性と騙す意図です。
この2つの要素のバランスで決まります。文献が重要でも騙す意図がなければ、Inequitable conductにはなりません。本事件では、文献は重要だが、騙す意図があったことの証拠がないということでInequitable conductの主張が退けられています。

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