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国際調査機関の見解書=拒絶理由通知と解釈するといいことがあります

2012.10.05

伊藤 寛之

国際調査機関の見解書を作成するのは、日本の審査官であり、日本への国内移行後は、通常、同じ審査官が同じ内容の拒絶理由通知を発行します。
二回も同じ通知をもらうのは、変な感じですよね。
そう思った方は、審査結果を待つまでもなく、国際調査機関の見解書を拒絶理由通知と同じようなもんだと考えて、補正や意見を述べるのがいいと思います。「補正書」は、拒絶理由通知の発行前はいつでも出せます。「意見書」は、出せませんが、代わりに、「上申書」という書面を提出することができます。「上申書」は、いつでも出せます。
この上申書での反論内容に審査官が納得しないとしても、次の拒絶理由通知は、必ず、最初の拒絶理由通知になりますし、当然、拒絶査定になることはありません。
一方、何もせずに拒絶理由通知の発行を待って、同じ応答をした場合、審査官が納得しなかったら、次は、拒絶査定になる可能性もあります。そうなったら、審判請求や分割出願など色々と大変です。
このように、拒絶理由通知の発行を待たないことにより、その後の中間処理を非常に有利に進めることができます。実際、弊所では、このような実務を部分的に取り入れており、予想した通りの効果が得られています。
この発想は、EPでのEESRに対する応答に似ています。現在はEESRへの応答は義務化されましたが以前は任意でした。そして、EESRに応答しなかったら、拒絶理由通知は、「EESRの通り」という内容のものが発行されていて、OA応答の機会を1回損するので、EESRに対して応答を行うという方針にしている会社も多かったと思います。それと同様の発想は、日本でも取り入れた方が、権利化を有利に進めることができます。

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