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“VEGETABLE”商標から「ベジタブル」の称呼が生じない。

2012.09.21

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http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1259820.html
1 本願商標
本願商標は、「ベジタフル」の片仮名を横書きしてなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、平成22年12月28日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、本願商標から生ずる「ベジタフル」の称呼と国際登録第1036893号商標(以下「引用商標」という。)から生ずる「ベジタブル」の称呼とが類似するので、本願商標と引用商標とは称呼上類似の商標であって、同一又は類似の商品に使用するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲のとおりの構成よりなり、2010年1月4日にフランスにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、平成22(2010)年2月8日に国際登録出願、第3類、第4類、第16類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23(2011)年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
引用商標は、別掲のとおり、上段に「野菜」を意味する英語である「VEGETABLE」と「(S)」を黒色、括弧を薄い灰色で表し、「ABLE(S)」には括弧と同色の下線を括弧に接して付し、下段に上段の文字の1/4程度の大きさで、英語で「秘密」(複数形)を意味する「SECRETS」の文字を前記した括弧及び下線と同色の薄い灰色で表してなるものである。
そして、上段に「VEGETABLE」の文字部分が顕著に表されていることから、当該文字部分が分離して認識される場合があるとみるのが相当である。
しかしながら、本願商標と引用商標の抵触する指定商品において、「VEGETABLE(野菜)」は、商品の原材料として用いられるものであり、例えば「ベジタブルオイル」(化粧品)、「ベジタブルせっけん」等のように表示して使用されている実情がある。
そうすると、該「VEGETABLE」の文字は、商品の原材料を表示する語として捉えられ自他商品識別標識としての機能が極めて弱いか、その機能を果たさないものとみるのが自然であるから、引用商標において、該文字部分が独立して取引に資されるものとは認め難いものである。
してみれば、引用商標は、「VEGETABLE」の文字部分に相応した「ベジタブル」の称呼は生じないものというべきである。

したがって、引用商標より「ベジタブル」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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