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「UVヴェール」(指定商品:化粧品)は識別力なし

2012.09.14

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http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1259832.html
1 本願商標
本願商標は、「UVヴェール」の文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,化粧用漂白剤,洗濯用漂白剤,洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),香料類,香水類,化粧水,アフターシェーブローション,髭剃後のコロン,コロン,精油,身体用防臭剤,制汗用化粧品,頭髪及び頭皮用化粧品,ボディーケア用化粧品,ヘアーケア用化粧品,シャンプー,コンディショナー,毛髪用着色剤,頭髪仕上げ用化粧品,ヘアースタイリング用化粧品,練り歯磨き,マウスウォッシュ,口内洗浄剤(医療用のものを除く。),歯磨き,トイレ用洗浄剤,バス・シャワー用化粧品,スキンケア用化粧品,スキンオイル,スキンクリーム,スキンローション,シェービング用化粧品,髭剃前の化粧品,髭剃後の化粧品,脱毛剤,日焼け用化粧品,日焼け止め用化粧品,化粧品,メイクアップ用化粧品,化粧落とし剤,クレンジング用化粧品,化粧用ワセリン,リップケア用化粧品,リップクリーム,タルカムパウダー,化粧用脱脂綿,化粧用コットン,化粧用綿棒,化粧用のパッド状コットン,化粧用ワイプ,パッドに染み込ませたクレンジング用化粧品,ティッシュ・ワイプ・コットンに染み込ませたクレンジング用化粧品,美顔用パック」を指定商品として、平成22年6月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『UVヴェール』の文字を標準文字で表してなり、その構成文字中『UV』の文字部分は『紫外線(UltraViolet rays)』の略語、『ヴェール』の文字部分は『覆い隠すもの』の意味を有する英語『veil』の片仮名表記と認められるから、全体として『紫外線より覆い隠す。紫外線を防止する。』の意味を容易に想起させるものと認められる。また、本願指定商品を取り扱う業界において、紫外線を防止するための商品に『UVヴェール』『UV VEIL』の文字(語)が使用されている。そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中、紫外線防止効果を有する商品に使用した場合には、商品の用途、品質を表示するにすぎず、自他商品識別標識としては認識し得ないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『紫外線を防止するための商品』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「UVヴェール」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成から「紫外線」の意味を有する「UV」(広辞苑第六版「ユーブイ【UV】」の項」)と「おおって見えなくするもの」の意味を有する「ヴェール」(広辞苑第六版)の文字(語)を結合したものと容易に認識されるものである。
そして、「UVヴェール」の文字(語)は、原審で示した使用例からして、本願指定商品中の「化粧品」を取り扱う業界において「紫外線防止効果を有する商品」であることを表す文字(語)として一般に使用され、認識されているものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、「ヴェール」は「ベールで覆う、覆い隠す」の意味を有する英単語「VEIL」の片仮名表記であり、本願商標からは直ちに「紫外線防止」という意味合いは生じない。また、拒絶理由通知に言及している数のウェブサイトをもって本願商標が広く一般的に商品の品質を記述的に表示したものとして需要者に理解されているともいえず、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものでもないから、本願商標は自他商品識別力を有する旨主張している。
しかしながら、原審で示した使用例からすれば、上記のとおり判断するのが相当であるし、このことは別掲の使用例からも裏付けられ、かつ、これらの使用例からすれば「UVヴェール」の文字(語)は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであって、特定人による独占使用を認めるのは妥当なものとはいえないものというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。
してみれば、「UVヴェール」の文字(語)からなる本願商標は、これをその指定商品中「紫外線防止効果を有する化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は該文字を「紫外線防止効果を有する化粧品」であることを表示したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものといわなければならず、また、前記以外の化粧品に使用するときは、該商品が「紫外線防止効果を有する化粧品」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

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