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「スマートクーラー」からは「冷却機」の意味は出てこない

2012.09.05

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http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1258193.html
1 本願商標
本願商標は、「スマートクーラー」の片仮名を横書きしてなり、第11類「乾燥装置,換熱器,蒸発装置,熱交換器,暖冷房装置,冷凍機械器具,太陽熱利用温水器,家庭用電熱用品類」を指定商品として、平成22年5月12日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同23年7月14日付け手続補正書をもって、第11類「熱交換器、冷房装置、冷凍機械器具」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
(1)商標法第4条第1項第16号
本願商標は、その構成中に「クーラー」の文字を有するものであって、出願人がこれをその指定商品中、例えば「ルームクーラー」、「冷却機」等の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号
本願商標は、「Smart」の文字を標準文字で表してなり、「スマート」の称呼及び「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。身なりや動作などが洗練されて粋なさま。」の観念を生ずる登録第4550241号の11(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「スマートクーラー」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に視覚上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、その構成全体から生ずる「スマートクーラー」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の「クーラー」の文字が「冷却器、冷房装置」等の意味を有する語であるとしても、かかる構成においては、該文字部分が商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに認識されるとはいい難く、また、殊更該文字部分を捨象し、その構成中の「スマート」の文字部分のみをもって取引に資するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。
してみれば、本願商標は、その構成全体をもって、特定の語義を有することのない一連の造語を表したものとして認識されるというのが相当であるから、その構成文字全体に相応する「スマートクーラー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生ずることのないものである。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記(1)のとおり、その構成全体をもって特定の観念を生ずることのない一連の造語を表したものとして認識されるものであるから、本願商標をその指定商品のいずれについて使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
「スマートクーラー」の片仮名を横書きしてなる本願商標は、上記(1)のとおり、その構成文字全体に相応する「スマートクーラー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生ずることのないものであるから、「Smart」の文字を標準文字で表してなり、「スマート」の称呼及び「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。身なりや動作などが洗練されて粋なさま。」の観念を生ずる引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号のいずれにも該当するものではないから、本願商標がこれらの規定に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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