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「クリアーウィンドウ」(指定商品:封筒)は識別力あり

2012.09.03

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http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1258247.html
1 本願商標
本願商標は、「クリアーウィンドウ」の片仮名及び「CLEAR WINDOW」の欧文字を二段に横書きしてなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年3月22日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年9月5日付け手続補正書により、第16類「紙製包装用容器,型紙,裁縫用チャコ,荷札,紙製テーブルクロス,窓付封筒の窓部用紙,窓付封筒の窓部用透明紙,窓付封筒の窓部用半透明紙,封筒用紙,その他の紙類,トレーシングペーパー,感圧粘着剤付きのメモ用紙,封筒,付箋,クリアファイル,その他の文房具類,印刷物」及び第20類「屋内用紙製ブラインド」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『クリアーウィンドウ』の片仮名及び『CLEAR WINDOW』の欧文字を上下二段に書してなる。そして、本願商標の構成中『クリアー』及び『CLEAR』の文字は、『透明』を意味する外来語として、『ウィンドウ』及び『WINDOW』の文字は、『窓』を意味する外来語として広く親しまれているから、本願商標は、全体として『透明な窓』程の意味合いを容易に認識させる。そして、市場において、窓部が透明であることにより、宛名や中身を確認することができる窓付きの封筒や包装容器等が存在する実情がある。してみれば、本願商標をその指定商品のうち、『紙製包装用容器,荷札,窓付封筒の窓部用紙,窓付封筒の窓部用透明紙,窓付封筒の窓部用半透明紙,封筒用紙,その他の紙類,トレーシングペーパー,感圧粘着剤付きのメモ用紙,封筒,付箋,クリアファイル,その他の文房具類』中、例えば『透明な窓を有する封筒』等、前記文字に照応する商品に使用するときは、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の『紙製包装用容器,荷札,窓付封筒の窓部用紙,窓付封筒の窓部用透明紙,窓付封筒の窓部用半透明紙,封筒用紙,その他の紙類,トレーシングペーパー,感圧粘着剤付きのメモ用紙,封筒,付箋,クリアファイル,その他の文房具類』に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「クリアーウィンドウ」の片仮名及び「CLEAR WINDOW」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の「クリアー」及び「CLEAR」の語から「透明」の意味を、「ウィンドウ」及び「WINDOW」の語から「窓」の意味を、それぞれ看取することにより、全体として原審説示のごとき意味合いが暗示される場合があるとしても、これが、本願商標の指定商品との関係において、特定の商品の品質を直接的かつ具体的に表示したものとは、いい難いものである。
また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「クリアーウィンドウ」及び「CLEAR WINDOW」の文字が、商品の品質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実を発見することはできなかった。
してみれば、本願商標は、商品の品質を表すものとして認識され得るものではなく、全体をもって、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であって、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果し得るものであり、また、これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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