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特許事務所の開業からもう10年

2019.04.12

伊藤 寛之

うちの事務所は、2008年のリーマン・ショックの直後のどん底の時期に始まり、昨年の10月8日で10年になりました。
私が入所したのは、1周年の少し前でしたが、その頃は、仕事が少なくて日々不安な状況でした。
そのな状況の中、みんなで知恵を出し合って、事務所の特色を出す工夫をしてきました。
営業面での工夫は、国出願費用を品質を落とさずに削減する方法というキャンペーンを打って、他の事務所では簡単には真似できない仕組みを作って、魅力的な値段で品質のいいサービスを提供することを徹底したことです。このキャンペーンは、かなりうまくいっていて、PCTの国内移行段階から多くのお仕事を頂き、また、同じお客様から国内案件のお仕事ももらうことができるようになりました。
このキャンペーンを支えるには、事務所内の作業効率を高めることが必須になります。仕事量の増大に合わせて事務員の数を増やしていると、費用がかさんで魅力的な値段を提示できなくなるからです。そこで、私の方で、市販のデータベースソフトと私の自作のソフトを組み合わせて、特許庁への提出書類やクライアントへの報告書類の作成の半自動化を行いました。これはかなりうまくいって、この10年間で売り上げは10倍になりましたが、事務担当者は所員数の1/3程度に抑えました。
この市販品+自作ソフトとしたのは、市販品は使いにくく、自作ソフトは信頼性に欠ける部分があるので、データベース部分を市販品にまかせて、そこからのデータ引出と加工を自作ソフトにまかせることにしました。これによって、ほとんど費用をかけずに、使いやすくて信頼性がある所内システムの構築に成功しました。
そんなこんなで仕事が増えていきました。新規出願をすると、ある程度の確率で外国出願又はPCT出願が出てきますし、中間処理もありますので、取り扱いの件数が増えるに従って、事務所経営は安定するようになりました。
今は、新規出願・鑑定・情報提供などのお仕事を頂いていますが、それに加えて、外国出願・PCTの国内移行・中間処理がどんどん増えてきて、かなり大変な状況になってきました。
そこで、人員増強を図ることにし、1名決まりました。まだ、詳細は書けませんが、非常に優秀な人材です。この方に頑張って貰えれば、少し楽できそうです。今年は年末年始も返上でした。。。

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