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米国で著作権についての国際消尽するかどうかが最高裁で争われている(Costco Wholesale Corporation v. Omega, S.A.)

2010.11.18

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Guest Post: Copyrights, Patents, and International Exhaustion
米国で、著作権について国際消尽するかどうかが、現在最高裁で審理されているようです。
この事件では、コストコ(Costco)が、オメガの時計を外国で購入し、それを米国で販売しましたが、その時計には、小さな絵柄が付されていて、これが著作権で保護されるので、コストコの行為が著作権侵害になるかどうかが争われています。
著作権が国際消尽しないのであれば、コストコの行為は著作権侵害になりますが、国際消尽するとすれば、コストコの行為は著作権侵害になりません。
米国著作権法には、消尽について以下のように規定されています。
簡単に訳すと、「この法律の下で合法に製造された複製物の所有者は、その複製物を自由に販売等できる。」ということです。
§ 109. Limitations on exclusive rights: Effect of transfer of particular copy or phonorecord
(a) Notwithstanding the provisions of section 106(3), the owner of a particular copy or phonorecord lawfully made under this title, or any person authorized by such owner, is entitled, without the authority of the copyright owner, to sell or otherwise dispose of the possession of that copy or phonorecord.
外国で製造されたものが、「この法律の下で」といえるのかどうかが問題となります。文言に忠実に解釈すると、米国著作権法は外国での行為には及ばないので、「この法律の下で」とは言えないと思います。
一方、著作権は、著作物を創作すると全世界で自動的に発生するものですので、あまり国境をまたいだからどうだこうだというのは、ちょっと違うようにも思います。そういう意味では、著作権の方が、特許よりも国際消尽を認めやすいように思います。
日本では、どうなっているかというと、以下のように、国際消尽することが条文に明記されています。
(譲渡権)
第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
  一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
  二 第六十七条第一項若しくは第六十九条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和三十一年法律第八十六号)第五条第一項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
  三 第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
  四 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
  五 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物

ただし、以下の例外があって、ある業者が国内と外国の両方で値段に差をつけてCDを販売している場合に、外国で販売されている正規品を買ってきて、日本で販売する行為は違法になる場合があります。

(侵害とみなす行為)
第百十三条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
5 国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであつて、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知つて、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内 において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。ただし、国内において最初に発行された日から起算して七年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為については、この限りでない。

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