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IDSでの文献提出により特許が強くなることの根拠(KSR事件での最高裁判示)

2010.08.20

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最高裁は、KSR事件において、PTOが専門性を持って特許を付与したことが特許の有効性の推定の根拠だが、その根拠は、ここでは(文献が開示されない状況では)薄れる、と述べています。
つまり、審査段階で文献を提出すれば、その文献を用いた無効の主張は難しいが、審査段階で開示されていない文献については特許の有効性の推定の根拠は薄れるとのことですので、IDSでたくさん文献を出しているほど、後の訴訟において無効の主張が認められにくくなるといえます。
KSR INTERNATIONAL CO., Petitioner v. TELEFLEX INC. et al.
We need not reach the question whether the failure to disclose Asano during the prosecution of Engelgau voids the presumption of validity given [*51] to issued patents, for claim 4 is obvious despite the presumption. We nevertheless think it appropriate to note that the rationale underlying the presumption–that the PTO, in its expertise, has approved the claim–seems much diminished here.

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