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ナカシマ工業に対する佃製作所の言い分は正しいのか?

2015.11.11

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ところで、佃製作所は、ナカシマ工業が佃製作所に対して訴えを提起したことに対して「真似したのはあいつらなのに、訴えるとはひでやつらだ!」のように主張しています。この主張は、妥当でしょうか?
佃製作所の言い分が正しいとすると、佃製作所の技術はナカシマ工業よりも早く独自開発したものであるということになります。そうであれば、佃製作所の特許戦略がどうであれ、佃製作所は、自社が開発した技術に対して先使用権を有することになります。
先使用権の立証は、出願時点において独自の発明について実施の準備をしていることを示せば十分であり、佃製作所自身が十分な証拠を提示すれば、それで訴訟は終わりになるはずです。このような考えによれば、ナカシマ工業による訴訟の引き伸ばし戦略はうまくいかないはずです。
(先使用による通常実施権)
第七十九条  特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。

佃製作所の言い分が実は正しくなく、佃制作所が使用している技術が実はナカシマ工業の特許の出願日よりも遅い時期に開発されたものであれば、佃製作所としては、自身のエンジンがナカシマ工業の特許の技術的範囲外であることを立証するしかありません。このような立証は、特許請求の範囲の各用語の解釈が問題になり、訴訟が長引く可能性があり、ナカシマ工業の引き伸ばし戦略が有効になります。
ドラマでは、特許や技術の内容が分からないので、なんとも言えませんが、上記の状況から判断すると、佃製作所は、ナカシマ工業の技術を真似をしているとは言えませんが、佃製作所がナカシマ工業の特許の技術を開発したのは、ナカシマ工業の特許出願日よりも遅く、「真似したのはあいつら」という言い分は妥当ではない可能性が高そうです。