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情報提供、異議申立、無効審判

2018.10.03

伊藤 寛之

権利化を阻止したり、権利を無効にしたりする方法としては、情報提供、異議申立、無効審判があります。
情報提供及び異議申立はかなり頻繁に行われます。無効審判は、全体で年200件程度なので、稀。

これらの制度には以下の特徴があります。

情報提供
匿名で提出することができ、庁費用がかからない。フォーマットも特に定められていないので、気軽に利用可能。
但し、権利化前なので、出願人は補正の自由度が高く、引用文献の回避が比較的容易。
補正によって引用文献が回避された場合には、引用文献を追加して、情報提供を再度行うことが可能。
なので、出願人側は逃げやすく、提出者側は追いかけやすい。

異議申立
異議申立人が必須。異議申立人は、誰でもいいけど、特許庁から書類が送られてきて、
その書類に対して応答が必要な場合があるので、ある程度、責任持って処理を行える人じゃないといけない。
なので、匿名の異議申立人の準備は結構大変。
異議申立は、庁費用が必要:16,500円+(請求項の数×2,400円)
書式も厳格だったり、文献の複写の提出が必要だったり、提出作業は、情報提供に比べてかなり大変。その分だけ、費用が高額になりやすい。

権利化後なので、情報提供の段階に比べて、特許権者は訂正の自由度が低い。だけど、減縮補正は自由にできるので、異議申立で提出された文献を回避するのは結構簡単。

訂正によって引用文献が回避された場合でも、引用文献を追加することができない。
なので、権利者は逃げやすく、異議申立人は追いかけにくいので、異議申立で完全に権利を潰すのは非常に難しい。

無効審判
無効審判は、実名で行う必要があるので、気軽に行うことができない。
ただ、以下の参考記事にあるように異議申立は特許権者に有利に制度設計されているのに対して、無効審判は、両者に公平に制度設計されている。なので、異議申立よりも特許を潰しやすいというメリットがある。