特許と意匠の複合的保護
2012.09.10
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物品の形状に特徴があるものについては、特許による保護と、意匠による保護の両方を検討する必要があります。
技術的な特徴がある場合は、特許の方が広い範囲で権利取得が可能なので、特許出願がお勧めです。
しかし、特許出願だけにしてしまうと、自分の商品の発売前に、他人が自分の商品と同じ形態を意匠登録出願してしまうと、特許が取れたとしても自己実施ができなくなってしまいます。
特許と意匠は先後願関係が判断されないので、先に特許出願をしていて、図面中に詳細な製品の構造を示していたとしても、意匠登録出願を拒絶に持ち込むことができません。
そこで、最も理想的なのは、特許出願をすると共に、意匠登録出願もすることです。但し、その分、費用が必要になりますので、意匠登録出願すべきか判断が微妙な場合があります。
そんなときは、特許出願中に、詳細な六面図(必要な場合は断面図も)を開示することが有効です。このようにしておけば、将来、必要になったときに意匠登録出願に変更することができます(特許出願を分割した上で、意匠に変更すれば、特許出願も残すことができます)。また、意匠は、審査が早いので、1年くらいで最終結果が出てしまいます。権利化されなければ、公開もされないので、何もなかったことになるだけですが、競合にプレッシャーを与えることができません。
特許に六面図を記載しておけば、特許出願が係属している間は意匠に変更できるので、競合からすれば嫌な感じです。意匠登録出願をするよりも長期に渡って、競合にプレッシャーを与えることができます。