ブログ

外国出願の効率的管理

2012.10.10

伊藤 寛之

最近は、外国出願の出願国数が増えてきており、その管理にかかる手間が増えてきています。例えば、ロシアからOAが来たときに、中国の状況、EPの状況など別の国の状況を調べるのに一苦労です。また、OAで引用されている文献がIDSされたかどうかを調べるのも一苦労です。また、ファミリーのOAは、どの国のOAも似たりよったりになりますが、どの国と一番似ているのか、どの程度似ているのかを調べるのも一苦労です。
このような状況を改善するために弊所では、各国のOAが出る度に、全てのファミリー出願の現状を一覧にしています。
この一覧には、
・各国のOAの概要を一行で表現(例:D1とD2から進歩性欠如。「設定手段」が不明確)したもの。
・引用文献
・簡単な応答内容(例:claim 3の内容でclaim 1を限定して応答)
・審査請求済か否か、自発補正を行ったか否か
などの情報が含まれています。
この一覧を見ると、例えば、
・ロシアのOAの内容は、CNのOAの内容とそっくりだから同じ応答が可能とか、
・ロシアのOAの内容は、CNよりも厳しいので、別途検討が必要だ、
といった検討が可能になります。最近は、各国のOAが段々と均質化しつつありますので、
このようにOAを対比することによって、検討時間を大幅に節約することができます。
また、文献が他のファミリーですでにIDS提出されているかを即座に判断することができますので、IDS提出の要否が簡単に判断でき、IDS漏れという事故を防ぐことができます。
弊所では、アクションが起こる度に、その内容をデータベースに入力していますので、このようなリストをボタン一つで生成することができるようにしています。

アーカイブ