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アメリカ 実は『包括委任状』が存在しない

2018.10.15

A. K.

だんだん「特許事務のランチブログ」になってきたので、たまには外国特許情報を更新します。

タイトルの通りなのですが、アメリカには『包括委任状』というものが存在しません。

最初に個別委任状と包括委任状の違いについて。
・個別委任状とは、個々の案件について、代理人に代理権を授与したことを証明する書面です。
・包括委任状とは、出願を特定せずに代理人に包括的な代理権を授与したことを証明する書面です。

そして、アメリカでの委任状(Power of Attorney)は、すべて個別委任状なのです。
「ん? うちは包括委任状を提出しているから、出願ごとに個別委任状は署名していないけど?」
と疑問を持った出願人様もいらっしゃると思いますが、もう少し詳しく説明します。

アメリカでは、個別委任状の『出願番号欄』を空白とすることで、「出願番号を指定しない委任状」として複数案件に使い回すことが可能です。(アメリカでは委任状の『原本』をUSPTO(アメリカ特許商標庁)に提出する必要はなく、電子データのみを提出します。)

従って、
・出願番号を指定しない個別委任状に署名する
・各出願に対して個別委任状(電子データ)を提出する

という作業により、擬似的に『包括委任状』としての効果を得ることができるのです。

ここで注意したいことが2点あります。

①表面的には「個別委任状」と「包括委任状」に何の違いもない
アメリカでは「出願番号が付与される前は空欄として良い」という書面作成ルールがあるため、出願前に署名する時点では、いずれの委任状でも出願番号は空欄となります。
他の案件に流用してほしくない場合は、明確に「これは個別委任状である」と伝える必要があります。

②各出願に対して委任状の提出が必要である
日本では、包括委任状を日本特許庁へ提出すると、個別の出願に対して委任状を提出する必要がなくなります。しかし、アメリカでは、各出願に委任状を提出する必要があります。

by kh

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