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QPIDS申請の流れ

2017.06.30

SKIP

QPIDSの説明をしますと宣言してから6ヶ月も経ってしまいました・・・。
2016/12/22 アメリカ 登録料は早めに納付した方がよい

とはいっても、QPIDS制度については、『QPIDS試行プログラム』などで検索すると、いろいろな特許事務所さんが分かりやすく解説しています。
そこで、SKIPではちょっと視点を変えて
「実際にQPIDSを申請したらどんな流れで処理が進むのか?」
というあたりをご説明したいと思います。いろいろ気をつけないといけない点や、思わぬワナが仕掛けられているので、それはまとめて注釈に記載しました。

さて、本題です。
アメリカで登録料を納付したあとに、他の国の特許庁からファミリー出願に対してオフィスアクションが通知されました。そして、そこには新しい引用文献が記載されています。
アメリカでは、登録日までIDSの義務が継続するため(※1)、この引用文献が「特許性に関する重要な情報(information material to patentability)」である場合は、IDSを提出しなければなりません。出願人が取りうる手段は2つです。

① QPIDSを利用してIDS提出を行う
② 登録取り下げ申請とRCE申請をした上でIDS提出を行う

普通は②を選ぶメリットはありませんので、①QPIDSを選びます。IDSすると決まったら、急いで代理人に対して、QPIDSの指示を出します。

さて、QPIDS指示を受け取った現地代理人が準備する書類は、以下の4点です。また、QPIDS申請自体は無料ですが、もろもろの庁費用を納付しなければなりません。後述する返還がありますが、いずれにしても意外と高額です。

書類 庁費用
(1) QPIDS申請書 無料
(2) 登録取り下げ申請書 $140
(3) IDS提出書 $180
(4) RCE申請書 $1,200 (1回目)、$1,700 (2回目以降)



気になるQPIDSの結果ですが、だいたい1~2ヶ月ほどで通知されます。(※2)
以下、分かりやすさ重視で、成功、失敗と称します!

●QPIDS 成功 やった~♪
審査官が文献を考慮した結果、特許査定が維持されることになりました。
すると、Corrected Notice of Allowability(訂正特許許可可能通知)が発送されます。成功の場合、RCEはEnterされませんでしたので、RCE申請料($1,200または$1,700)がUSPTOから返還されます。忘れずに、現地代理人から返金してもらいます。(※3)

この場合、登録料は既に納付済みですので、出願人は特許証が発行されるのを楽しみに待ちましょう。(※4)

●QPIDS 失敗 ・・・・・残念!
審査官が文献を見て「これは改めて審査をしないといけない」と判断した場合、Notice of Reopening of Prosecution(審査再開通知)が発送されます。残念ながら、せっかくの特許査定は取り消されてしまいます。
また、失敗の場合、IDS手数料($180)が返還されますので、忘れずに代理人から返金してもらいます。(※3)

QPIDS失敗の場合、審査が再開され、次のオフィスアクションが通知されます。また、審査した結果そのまま特許査定になることもあります。いずれにしても、出願人は審査結果を待つしかありません。

ということで、QPIDSを実際に申請してみると、こんな流れになります。できれば使う機会がないほうがうれしい制度ですが、「うっっ、このタイミングでオフィスアクション・・・。」と思ったら、粛々と手続を進めていきましょう。

詳しいご相談はSKIPまで。

by kh

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※1 アメリカでは、登録料納付からだいたい1~2ヶ月で特許が発行されます。また、発行の2週間ほど前に「Issue Notification(発行通知)」によって登録日が通知されます。もし、登録日が1週間以内に近づいていたら、本当に至急対応しましょう。アメリカ代理人は、USPTOに電話をして「QPIDSするから特許証を発行しないで!」とお願いすることになります。ちなみに、あまりに直前だと、入れ違いで特許証が届いてしまうこともあるようです。もちろん、登録を取り下げにしているのでこの特許証は無効。USPTOに連絡すると、「ごめん、まちがいまちがい、捨てといて。」と言われるらしいです。

※2 かつて、申請から1ヶ月ほどで「QPIDS結果が出ました!」とお客様に報告したところ、「早いですね。他の事務所に依頼したQPIDSの結果が1年くらい返ってこないんですよ・・・。」とおっしゃったので、「すぐに現地代理人にリマインドしてください。」とお伝えしました。その後、すぐに結果が通知されたようです。審査官に放置されることもあるようで、まったく油断なりません。

※3 ほとんどの代理人は、QPIDS申請時にかかったのすべてを費用を、手続直後に請求してきます。QPIDS審査結果が出ると、いずれの結果でも返金が発生するのですが、意外と返金を忘れてしまう代理人も多いので注意が必要です。ちなみに、弊所ではQPIDS結果が出て請求金額が確定した時点で、すべての費用を合算して、お客様へ請求書を発行しています。
また、QPIDSでは、通常IDSの2倍ほどの手数料を請求する代理人が多いようです。提出する書類が多いうえに手続も複雑なので、しょうがないですね。

※4 QPIDSが成功した後に特許証を待ちのタイミングで、別の国で新たなオフィスアクションを受け取ると大変残念な気持ちになります。人生で1度だけ「同じ出願で2回目QPIDS」という悲劇を経験しました。粛々と進めましょう。

USPTOによるQPIDSの説明はこちら
Quick Path Information Disclosure Statement (QPIDS)

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