アルゼンチンでは、PPHに代わり外国特許を活用した早期権利化制度(決議56/2016)が運用されており、2026年改正により審査途中でも申請可能となりました。
- アルゼンチンではPPHは2021年に終了
- 外国特許を活用した独自制度(決議56/2016)が運用中
- 2026年改正で審査途中でも申請可能に
- 外国特許を基礎とした早期権利化が可能
1. 制度の変遷(全体像)
現在のアルゼンチンにおける早期権利化の手段は、PPHの枠組みではなく外国特許を活用した国内制度が用いられています。
- 2016年:決議56/2016(外国特許活用制度)導入
- 2017年:PPH試行開始
- 2021年:PPH終了
📄 日アルゼンチン特許審査ハイウェイ試行プログラムの終了について日本国特許庁とアルゼンチン産業財産庁は、特許審査ハイウェイ試行プログラムを2017年4月1日より実施していましたが、アルゼンチンの国内制度に基づく日本からの出願の早期権利化が可能であることから、2021年12月31日に本試行プログラムを終了いたします。
- 2026年:改正(決議142/2026)
2. 決議56/2016(外国特許活用制度)
制度の概要
日本を含む海外特許庁において特許が付与された出願に対応するアルゼンチン出願について、早期に権利化を行う制度が利用可能です。
手続の概要
主な提出物は、①「アルゼンチン出願の請求項」、②「海外特許庁において特許付与された請求項とが一致する証拠」、③「その翻訳文」の手続きが必要とされています。
審査運用
外国特許庁における審査結果を前提として取り扱われるため、通常の実体審査に比べて簡略化された審査運用が採られています。
3. 2026年改正とその影響
従来制度では、実体審査開始前に限り申請可能とされていましたが、審査途中(査定前まで)でも申請可能に改正されました。
これにより、以下の点で実務が改善されています。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 申請タイミング | 審査開始前のみ | 審査途中でも可能 |
| 外国特許成立後の対応 | 不可(タイミング次第) | 柔軟に対応可能 |
| 実務柔軟性 | 低い | 大幅に向上 |
表:改正前後の比較
すなわち、今回の改正により、外国特許成立のタイミングに応じて制度利用が可能となり、戦略的な活用がしやすくなりました。
- 外国特許の成立が遅れている案件
- 審査途中で戦略変更が必要な案件
- 権利化タイミングを調整したい案件
4. まとめ
アルゼンチンでは、PPHに代わり外国特許を活用した国内制度(決議56/2016)が早期権利化の主要手段となっています。
2026年改正により、審査途中でも制度利用が可能となり、外国特許成立のタイミングに応じた柔軟な出願戦略がとりやすくなりました。
今後は、外国特許との関係を踏まえた上で、本制度の活用を検討することが実務上重要となります。
❓ よくある質問
※本記事は一般情報であり、個別案件についての法的助言を行うものではありません。具体的な対応については専門家にご相談ください。




