【SKIPの知財教室(IP Hack ®)】じっくり®法解説 Claim #17 特許審査における面接ガイドラインのポイントと活用実務の手引き
2025.07.24

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特許審査における面接ガイドラインのポイントと活用実務の手引き
特許出願の審査過程では、出願人(または代理人)と審査官が直接対話し、出願内容についての意思疎通を図る「面接」が重要な手続きとして活用されています。面接は、単なる書面のやり取りだけでは伝えにくい技術的なニュアンスや補正案の趣旨を直接伝える貴重な機会です。
特許庁では、この面接制度をより円滑に進めるため、「面接ガイドライン【特許審査編】」を策定・改訂しています。本記事では、令和6年1月に改訂された最新の面接ガイドラインのポイントをわかりやすく解説し、特許取得に向けた実務上の活用方法をご紹介します。
面接とは何か?その種類と活用例
面接とは、審査官と代理人(または出願人等)が直接対話し、出願発明の技術的内容や補正案について説明・協議する場です。審査過程での誤解や不明点を解消し、特許査定へと導くための重要なコミュニケーション手段として位置づけられています。
面接の形式には以下の3つがあります。
- 庁舎面接(特許庁で対面実施)
- 出張面接(地方ユーザー向けに各地で開催)
- オンライン面接(インターネット経由で遠隔実施)
面接で扱われる主な内容は以下のとおりです。
- 発明の技術的特徴や課題・効果の説明
- 先行技術との対比と相違点の明確化
- 明細書の補正案や実験成績資料等の確認
これらの内容は、出願人と審査官との間で深い理解と合意形成を進める上で不可欠な要素です。
面接を行える期間と注意点
面接は、審査請求から特許査定の送達または前置審査終了までの期間に行うことができます。ただし、拒絶査定不服審判を請求する前に行う面接には、補正案や具体的な請求理由の提示が求められます。
注意すべき点として、拒絶理由通知に対する意見書に面接希望を記載するだけでは、正式な面接依頼とはみなされません。面接を希望する場合は、別途、正式な手続きが必要です。
面接の依頼・受諾の手続き
面接は、出願人側または審査官側から依頼できます。依頼方法としては、以下の手段が利用可能です。
- 特許庁ウェブサイトの申込フォーム
- 担当審査官への電話・電子メール
- 上申書の提出
- INPIT近畿統括本部や経済産業局知財室への連絡
原則として、審査官は1回目の面接依頼には応じるとされていますが、面接の趣旨が逸脱している場合や審査室長の判断により、受諾されないこともあります。依頼が受諾されない場合には、その理由が応対記録として記録されます。
面接出席者の要件と委任状の取り扱い
面接に出席する出願人側の応対者には、次の3つの要件が求められます。
- 出願手続に関する知識
- 発明内容に関する技術的知識
- 出願人の意思を正確に示すことができる立場であること
代理人が選任されている場合は、原則として担当弁理士が対応し、必要に応じて発明者や知的財産部員も同席可能です。
また、面接時には委任状の提出が必要な場合があります。特に、復代理人による対応や、出願書類に記載されていない弁理士が面接に応対する場合は、面接ごとに委任状が求められます。ただし、包括委任状が既に提出されている場合や、弁理士法人所属弁理士が担当する場合は、提出を省略できることもあります。
面接後の流れと留意事項
面接後、審査官は面接内容を記録し、必要に応じて補正案や意見に対する考え方を整理します。出願人は、面接で得られた情報を踏まえて、補正書や意見書を正式に提出することになります。
ただし、面接時に審査官が示した意見は、あくまでその時点のものであり、その後の新たな証拠や情報により見解が変更される可能性がある点に注意が必要です。
まとめ:面接を効果的に活用し、特許取得への道をひらくために
面接は、特許審査において重要な意思疎通の手段であり、出願人と審査官が相互に理解を深める場として極めて有効です。明確な技術説明や適切な補正提案を行うことで、拒絶理由の解消や早期権利化につながる可能性も高まります。
面接の制度を十分に理解し、正しく活用することは、特許取得戦略の重要な一手となります。とくに初めて面接対応を行う場合や、複雑な補正案を扱う場合には、専門家のサポートが不可欠です。
SK弁理士法人では、面接の依頼から対応戦略の立案、補正案の準備まで、特許審査を見据えた総合的なサポートを提供しています。豊富な経験と実績に基づく的確なアドバイスで、知的財産の強化を支援します。
面接活用に関するご相談は、ぜひSK弁理士法人までお気軽にお問い合わせください。


