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Pre-Appeal Brief Conferencesの効果についての統計データ

2010.11.17

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How Effective are Pre-Appeal Brief Conferences?
Pre-Appeal Brief Conferencesについての統計データについての記事です。
Pre-Appeal Brief Conferencesとは、2005年からUSPTOが試行している制度です。試行プログラムですが、無期限延長されました
USPTOの発表 New Pre-Appeal Brief Conference Pilot Program
USPTOでの審査が厳しくなったことに伴い、審判部に未処理の案件が溜まり過ぎたため、この未処理案件を減らすために導入されました。出願人側のメリットとしては、appeal briefを作成するための費用を節約することができる点にあるようです。Pre-Appeal Brief Conferencesは、審判請求時に請求しますので、Pre-Appealといいながら審判請求は、必要です。
Pre-Appeal Brief Conferencesが請求されると,審査官の合議体で審理され、Appealを継続すべきか(つまり、拒絶が維持)、審査官の審理に戻すか、特許許可するかが検討されます。パネルには、審査官とその上司が含まれるようです。従って、審査官がどうしようもない人である場合には、有効だと思われます。
Pre Appeal Brief Conferenceは、ここのページで日本語でコンパクトに解説されています。
Pre Appeal Brief Conference 審判請求
上記記事によると、以下の点が分かります。
・Appealの請求件数に対するPre-Appeal Brief Conferencesの請求率は、年々増加していて、2010年は34%。3件に1件がPre-Appeal Brief Conferencesを利用していることになります。この制度を利用したほうがいいか数人の代理人に聞いて見たことがありますが、「リスクがないので利用すべきだ」という代理人と「意味がないので直接Appealに進んだ方がいい」という代理人がいて意見が分かれていました。
・拒絶が維持されるのは56%程度。半数以上の件については、Pre-Appeal Brief Conferencesが意味がなかったことになります。
・審査を再開したのは38%程度。現在の拒絶理由が不適切であると認めて、再度、審査を行うという件だと思わますが、従来は、appeal briefが提出された後に、審査が再開されていたので、Pre-Appeal Brief Conferencesの請求によって、appeal briefに作成費用が節約できたケースだと思います。
・特許許可したのは5%程度。少しですね。
このデータを見る限り、43%のケースでは、出願人側に有利な内容になっていますし、Pre-Appeal Brief Conferencesの請求には庁費用はかかりませんので、Appealをする場合には、Pre-Appeal Brief Conferencesを請求するのはいい手段のように思います。

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