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ジェフ・ベゾス(他社がやる気を無くす料金設定 )SK特許(外国出願)

2019.04.12

伊藤 寛之

もう一つ、印象に残ったのが、AWSを開始する際の料金設定について討論したときに、ベゾスは、「他社が開発意欲を無くすような料金設定にしろ。iPhoneのように利益率を高くすると他社がすぐに算入して過当競争になってしまう」と主張しました。
弊所の考えに通じるものがあります。
弊所は、新規算入なので、普通に営業しても、仕事を獲得することは容易ではないと考えました。そこで、比較的利益率が高い外国出願に目をつけて、非常に安い料金で、外国出願を行うというサービスを展開しました。このサービスを始めてから、数年が経過しますが、弊所のように安い料金を提示しているところは、あまりないと思います。中国・韓国・台湾の事務所が、各国の権利化を一括して請け負う(ハブになる)ことを提案して、その料金を見せてもらいますが、弊所の料金に競争力があることが多いですので、アジアで戦える料金にできていると自負しています。
外国出願がいいのは、国内出願の処理に比べて、案件処理の難易度が格段に高いので、優れた仕組みを構築すると競合が簡単には追いつけないことです。案件処理の難易度が高いのは、外国出願を適切に処理するためには、効率的に翻訳を行う仕組み、優れた現地事務所の開拓、現地との密接な連携、各国法律の知識、各国代理人からのバラバラの報告書・請求書の効率的処理など、様々なハードルがあるからです。弊所では、大量の外国案件をこなしながら、これらのハードルを一歩ずつクリアしています。
また、単に、安くするだけでは意味がないと考えています。応答案の精度を向上させること、顧客側での検討時間を減らすこと、事故の発生確率を極限まで低下させることなどを両立させる必要があります。
弊所の報告書には、各国の審査・登録状況がどこまで進んでいるか、各国にどのような期限が存在しているかを示すテーブルを載せています。このテーブルは、弊所データベースから自動生成されますので、テーブルの内容が正しければ、案件が弊所データベースにおいて適切に管理がされていることになります。このテーブル自体が便利なだけではなく、弊所担当者・企業担当者がこのテーブルの内容を見ることが、弊所データベース内容のチェックに繋がるという利点があります。例えば、中国のOAを処理している際に作成したテーブル中の韓国の欄を見ます。その際、審査請求が未請求であるにも関わらず、審査請求期限が載っていなければ、データベースの内容に誤りがあることがあります。このような方法で、弊所の業務の中で自然にデータベースの内容がチェックされます。
上記のような料金で外国出願の仕事を受注しても、当然のことながら責任は、高額が料金を請求している事務所と同じです。弊所が選定した事務所のミスは、弊所のミスと同じですので、現地がミスをしないように弊所が絶えず現地を監視する必要があります。また、現地のミスに対しては、現地と弊所が一体となって、その処理に対処する必要があります。
外国の法制度は、多様であり、未知のこともあり、予想以上に工数が必要になって、仕事が利益に繋がらないことも多々発生します。高額な料金で受注できている事務所が羨ましくなることもありますが、弊所は今後も上記の方針でやっていきたいと考えています。弊所でのノウハウ蓄積・システム改良などによって、請求金額を安くしても、十分に利益率を高めることが弊所の競争力が維持するために、何よりも重要であると考えるからです。
中国・韓国・台湾の事務所の日本語対応力の向上速度は、すさまじいものがあります。今後、外国出願に関して、これらの事務所との競争が激しくなることは確実だと思います。弊所のライバルは、これらの事務所であり、価格・品質の両方でこれらの事務所を圧倒することが重要であると考えています。
ちなみに、弊所の外国語対応力も大きく向上しています。さらに、TOEICが900点台の所員がもうすぐ入所します。

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