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「絹のヨーグルト」(指定商品:ヨーグルト)は識別力あり

2012.09.28

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http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1259718.html
1 本願商標
本願商標は、「絹のヨーグルト」の文字を標準文字で表してなり、第29類「ヨーグルト,その他の乳製品」を指定商品として、平成23年3月8日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『絹のヨーグルト』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、近年、食品を取り扱う業界において、シルクパウダーを入れた各種商品が販売されている実情が認められるから、本願商標は全体として『シルクパウダー入りのヨーグルト』ほどの意味合いを認識させるにとどまり、また、そのような意味合いで使用されている事実も認められるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、内容を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「絹のヨーグルト」の文字を書してなるものであるところ、該文字から、原審説示の如き意味合いを暗示させる場合があるとしても、これが、本願商標の指定商品との関係において、特定の商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものとして、取引者、需要者に、認識、把握されるとはいい難いものである。
また、職権をもって調査するに、その指定商品を取り扱う業界において、該文字の使用例は数件見受けられるものの、これが、商品の具体的な品質等を表示するものとして普通に使用されているとはいい難いものであるから、本願商標は、その構成文字全体をもって、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質等を表示するものとはいい得ず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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