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アマゾン1クリック特許のカナダでの審査

2010.10.21

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Business Method Patenting in Canada
Amazon.com v. Canada (Canada Fed. Ct. 2010).

アマゾン1クリック特許のカナダでの審査の情報です。
特許庁は、1クリック特許は、法上の「発明」に該当しないとして拒絶しました。
カナダ特許法では、「発明」の定義は、以下のようになっています。
“[I]nvention” means any new and useful art, process, machine, manufacture or composition of matter, or any new and useful improvement in any art, process, machine, manufacture or composition of matter.
これに対して、カナダの高裁は、システムクレームについては、機械が必須であるので法上の「発明」に該当し、方法クレームについては、その実施に、クッキーの使用、コンピュータなどが必要が必要であるので、物理的効果をもたらすものであり、法上の「発明」に該当すると判断しました。
各国での1クリック特許の状況については、Wikipediaが簡潔に説明しています。
米国では、特許になった後、再審査請求がされて、クレームの範囲が減縮された上で、2010年3月に特許が維持されました。欧州では、特許が付与されませんでした。なお、欧州特許庁は、ビジネス方法については極めて厳しい態度を取っています(技術的でないと判断された事項が無視されて審査されます)。
日本については、原出願はすでに拒絶が確定しましたが、分割出願が2つがあり、1つは、拒絶査定不服審判係属中であり、もう1つは、まだ審査されていません。
【公開番号】特開平11-161717
【発明の名称】アイテムの購入注文を出す方法
【請求項の数】66
【出願番号】特願平10-260502
【出願人】
【氏名又は名称】アマゾン コム インコーポレイテッド
【要約】
【課題】 アイテム購入注文をインターネットを介して出す方法とシステムを提供する。
【解決手段】クライアント・システム220からサーバ・システム210に購入注文が出される。サーバ210は購入者のID、支払い情報、出荷情報を含む購入者情報をクライアント220から受けた後、クライアント220にIDを割り当て、割り当てIDを上記購入者情報と関連付け、割り当てID、アイテムを特定し、注文ボタンを含むHTML文書をクライアント220に送る。クライアント220は割り当てIDを受けストアし、上記文書を受け表示する。注文ボタンの選択に応答してクライアント220から送られた特定されたアイテムの購入要求をサーバ210が受けると、クライアント220のクライアントIDと関連付けられた購入者情報を結合し、請求書発行と出荷情報に従いアイテム購入注文を生成し、これにより購入者は注文ボタンを選択して製品を注文する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】アイテムの購入注文を出す方法であって、前記注文はクライアント・システム側の購入者によって出され、サーバ・システムによって受信されるものにおいて、当該方法は、サーバ・システムの制御のもとでは、前記購入者の識別子(ID)、支払いに関する情報、および出荷に関する情報を含む購入者情報を前記クライアント・システムから受信し、前記クライアント・システムにクライアントIDを割り当て、前記割り当てられたクライアントID(以下、割り当てクライアントIDという)を前記受信した購入者情報と関連付け、前記割り当てクライアントIDを前記クライアント・システムに送信し、および前記アイテムを特定していると共に、注文ボタンを含んでいる表示情報を前記クライアント・システムに送信し、前記クライアント・システムの制御のもとでは、割り当てクライアントIDを受信してストアしておき、前記表示情報を受信して表示し、および前記注文ボタンが選択されると、それに応答して前記特定されたアイテムを購入する要求であって、前記割り当てクライアントIDを含んでいる要求を前記サーバ・システムに送信し、前記サーバ・システムの制御のもとでは、前記要求を受信し、前記要求に含まれている前記クライアントIDに関連する前記購入者情報を結合して、請求書発行と出荷情報に従ってアイテム購入注文を生成し、以上によって、前記購入者は前記注文ボタンを選択することで前記製品の注文を出すことを特徴とする方法。

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