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「拒絶理由なし」の判断が覆ることは稀ではない

2015.11.09

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多くの国では、請求項1は進歩性がないが、請求項2については進歩性が認められる、という場合には、
請求項2について「拒絶理由なし」ということを拒絶理由通知に明記してくれます。
このような場合の対応としては、以下のものがあります。
①請求項1について反論、請求項2はそのまま
②請求項1を削除、請求項2について権利化
対応①で応答する場合には、「ちょっと厳し目だけど、一度は応答してみて、だめだったら請求項1を削除して、請求項2について権利化を図る」という場合が非常に多いです。
対応①で応答をして、請求項1の特許性が認められることが少なくないですし、特許性が認められないとしても請求項2について「拒絶理由なし」の判断が維持されることがほとんどです。
ただ、対応①で応答した結果、審査官が新しい引例を見つけて、請求項2の進歩性について再考をした結果、請求項2についても進歩性が認められないと判断することも稀ではありません。
請求項1への反論が説得力がある場合ほど、請求項2を危険にさらす可能性が高まるかも知れません。請求項1の反論が成功すれば、審査官としてはそのまま引き下がることは難しいので、再度の調査を行って、請求項1の拒絶を維持しようとするかも知れません。その場合に、請求項2の進歩性を否定できる文献を見つけてしまうかも知れません。また、再度の先行技術調査を行わない場合でも、請求項1について再考をする際、請求項2が目に入ってついでに再考をしてしまう場合があるかも知れません。
このような観点で考えると、請求項2について確実に権利化を図るには、審査官の判断には一切反論せずに、請求項1を削除して、請求項2のみについて権利化を図り、特許査定を受けた後に請求項1について分割出願で権利化を狙うようにするのが権利化の観点からはベストな選択肢です。
また、日本に関しては、請求項1について反論をすると、次は、拒絶査定になる可能性があります。その場合、請求項2について権利化を図るには、審判請求が必要になり、費用がかさんでしまいます。
請求項1について反論して、その反論が認められれば、最小のコストで最大の結果が得られますが、反論に失敗した場合には、上記のようなリスクがあり、最悪の場合には、全く権利が取得できないという結果になります。