どうしてダメな社外弁理士を使うのか?
2014.09.13
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社内”便利”士が、社外弁理士に求めること|社内 弁理士ぼさちゃんのブログ
この記事で書かれているように、発明を否定だけして、権利化のための指針を示すことができない弁理士は、専門家としての能力が欠けていると思います。ただ、社外弁理士は膨大な数がいて、その中にはダメな人も優秀な人もいるのは当然であり、わざわざ、不満をもらしながらダメな弁理士と付き合わずにさっさとおさらばして、より優れたサービスを提供する弁理士を探せばいいのになぁと感じます。
この業界に長くいると、企業の知財部にいる方とも接することも多いですが、上記のブログのような感じで、現在使っている事務所の費用や品質に対して不満があるのだけど、新しいところを開拓するのは社内手続き上、容易ではないという話を聞くこともあります。
特許は、1件1件が重要な発明を扱うものですし、新しい事務所の仕事の品質は結局のところ、使ってみるまでは分からないので、新規事務所の開拓にはリスクがあり、気が進まないというのは、よく理解できます。ただ、だからと言って、不満を持ちながら、現状の事務所を使い続けていても未来が明るいはずがないので、現状維持にもリスクがあると思います。
弊所は、お客様から仕事を頂く立場であると同時に、翻訳者や現地代理人を選定・指導して適切に業務を行わせる立場ですので、発注者側でもあります。その際に、意識しているのは、不満を持ちながら発注を続けることはしないということです。
翻訳者の場合、品質が悪い人には二度と発注しませんし、現地代理人の場合でも同様ですし、品質がよくないと判断した場合には、クライアントの了承を取った上で現地代理人を変えるこというも頻繁に行っています。現状に甘んじることなく、より良いサービスの提供者を探し続けることが競争力を維持するために不可欠であると考えているからです。弊所は、完全歩合性ですので、内部で働いている人に対しても基本的に同様です。簡単に首にすることはありませんが、品質に対する意識が低い人には、当然、事務所からその人に対して仕事を任せることができませんので、その人の収入は0に近づいて行きます。幸いなことに、弊所の所員は非常に真面目ですので、そのようなことを行ったことはありませんが。
現状は、既存事務所のコストや品質に不満があっても、特許事務所を代えるハードルは非常に高くなっているように思えます。この状態は、業界の新陳代謝を低下させて、高コスト・低品質の事務所を温存させることになりますので、結局、ユーザーの不利益につながっていると思います。
弊所は、新参者なので、お客様に弊所を選んで頂くことによって成長しています。弊所は今でこそそれなりの規模になってきましたが、開業当初は本当に小さく不安定でした。それにも関わらず、お仕事を下さった方によって支えられて、ここまで成長してきました。既存の大手事務所ではなく、開業当初の小さな事務所に発注することは、ある程度のリスクを伴うものであり、それにも関わらず弊所を選んで下さった方が弊所の大部分のお客様ですので、コスト・品質に対する要望は必然的に高くなります。この要望に答えることによって、依頼頂く件数を徐々に増やして頂いて現在に至っています。
私は、非常に懇意にしている知財部の方が複数名いますが、彼らの考えは共通しています。
「知財部で最も重要な仕事は、信頼できる代理人を見つけることである。信頼できる代理人さえ見つければ、後は、仕事の内容を簡単に説明すれば、ちゃんとしたアウトプットを出してくれるので、仕事がスムーズに進む。だから、新しい代理人の開拓は重要である。」とのことです。