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外国特許明細書のパラメータ

2011.09.28

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http://okwave.jp/qa/q6874964.html
日本では、多くの弁理士は、「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい」と書いていると思います。
この記載方法だと、2.5の先行技術が現れた場合に、3~7に減縮するしかありません。
また、6.9の先行技術が現れると終わりです。
先行技術にどのような値が記載されているのか予測することは、困難です。そこで、具体的な値を種々記載しておいて、色々なパターンの補正を可能にします。
例えば、以下のように記載します。
「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい。Aは具体的には、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10であり、これらの数値のいずれか2つの間の範囲内であってもよい」
2.5の先行技術が現れた場合は、3~10に補正し、
6.9の先行技術が現れた場合には、1~6に補正します。
もちろん、上記のように補正をしても、進歩性の問題や記載要件の問題で特許性が確保できないかも知れませんが、少なくとも新規事項追加の問題は回避できますので、どちらかというと有利な方向に働くと思います。
先行技術以外にも例えば、実施例が5しかない場合、審査官が2~8の範囲で特許を認めるのか、4~6の範囲で認めるのかは予測困難です。
明細書に3~7しか記載がない場合、担当した審査官が厳しめの人で4~6でないと特許を認めないと考えても、そのように補正を行うことは、新規事項の点で不可能になります。
このような場合、上記のように具体的な数値があれば、新規事項の問題は生じません。
判例は知りませんが、他人が書いた明細書の中間処理を行う際に、数値限定の根拠がなくて苦労することは多いので、自分の明細書ではキーとなるパラメーターについては具体的な数値を記載しておいて、補正の自由度を高めるようにしています(あまり馴染みがないので、最初は不思議に思うクライアントもいますが、説明すれば納得してくれます)。


補足に対する回答です。
>ただ、1~6とか6~10に数値範囲を減縮する補正は、
>日本では、1~10の範囲内であることが明らかであるので、限定的の減縮として許容されるとおもいます。
この点に若干誤解があると思います。
1~10を1~6にする補正は、原則として×です。
明細書全体として「1~6」が記載されていると認められる場合に限って、そのような補正ができます。
明細書の記載が、「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい」
という記載で、実施例に6という数値がない場合、新規事項の追加になる可能性が高いです。
審査基準の補正の基準についての事例集の事例16をご参照下さい。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/tukujitu_kijun/part3chap0.html#name_4
なお、例外的には、事例14のように、明細書中に6という記載がなくても、「1~6」にする補正が認められる場合もあります。
「限定的の減縮」は、最後の拒絶理由通知が来てから問題になるものであって、新規事項かどうかの判断とは無関係です。
補正の基準は、日本と欧米は大差がないと考えてもいいと思います。欧州は、日本よりもほんのちょっと厳しめ、米国はほんのちょっと緩めという感じです。