特許法 延長登録出願の拒絶査定不服審判時の差戻し
2011.05.19
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http://okwave.jp/qa/q6714054.html
通常の拒絶査定不服審判においても、差戻しの審決は、条文上は規定されていても、
実際上は、極めてレアケースだと思います。拒絶理由が解消されていれば、審判官は、そのまま特許にしますし、拒絶査定の理由が解消されていて、新たな拒絶理由がある場合は、審判官は自分で拒絶理由を打ちます。従って、実務上は、わざわざ審査に戻すことはないと思います。
条文上は、審判官の負担を減らすために規定されているのだと思いますが、仮にこのような審決が出た場合は、審査官は、49条の拒絶理由が存在しているかどうかの審査を行うはずです。
延長登録出願の場合は、67条の3に拒絶理由が列挙されていますので、差戻し審決があると、審査官は、審決の内容に拘束されながら、67条の3の拒絶理由の有無について審査するはずです。
前置審査の趣旨は、審判請求時の補正によって審査対象が変わってしまった場合、審判官が検討するまでもなく特許査定にできる場合が多いから、最初に審査官に審査をさせるというものです。
延長登録出願の場合は、審判請求時に審査対象が変わることがないので、前置審査がないのは、自然だと思います。
一方、差戻し審決の趣旨は、査定の内容がデタラメな場合にやり直しを命じることです。前置審査とは趣旨が違いますので、前置審査がないことと、差戻審決があることは矛盾しません。