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「KISS」と{KEITH」は非類似

2012.09.26

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3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「KISS」の欧文字を書してなり、「キス」又は「キッス」の称呼を生じるものであり、該文字は、「接吻、口づけ」等を意味(広辞苑第6版)する広く知られた語であるから、上記の観念を生ずるものである。
他方、引用商標1は、上記2(1)のとおり、「KIETH」の欧文字と「キース」の片仮名を上下二段に書してなるところ、上段の「KIETH」の文字は、特定の意味を有しない造語と認められるから、上段の読みを特定したものと認められる下段の片仮名より「キース」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標1とを比較するに、外観においては、両商標の構成はそれぞれ上記のとおりであるから、外観上、明らかに区別し得るものである。
次に、本願商標から生じる「キス」又は「キッス」の称呼と引用商標1から生じる「キース」の称呼とを比較するに、「キス」の称呼と「キース」の称呼とでは、長音の有無に差異を有するものであり、また、「キッス」の称呼と「キース」の称呼とでは、促音と長音の差異を有するものであるが、両者は、いずれも共に極めて短い2音又は3音の音構成にあることからすれば、前記差異が両称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が異なり相紛れるおそれはないものというべきである。
さらに、観念においても、上記したとおり、本願商標は、「接吻、口づけ」の観念を生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じない造語であるから、観念においては比較することができない。
してみれば、本願商標と引用商標1は外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
なお、本願の指定商品が上記1のとおり補正された結果、引用商標2の指定商品と類似する商品は全て削除されたものと認められるから、引用商標2については、商標の類否について判断するまでもなく、原査定の理由は解消した。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという原査定の拒絶の理由をもって、本願を拒絶することはできない。

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