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事情を正確に理解するまで回答しない

2014.09.20

伊藤 寛之

一般論で答えない|知的財産と調査
この記事にあるように、私も、具体的な内容の相談に対して、一般論で答えないように、意識しています。
私の感覚では、経験が足りない状態よりも、十分に経験のある状態の方が、具体的な内容の相談に対して一般論で答える傾向が強まる気がします。
経験が蓄積するに従って、過去に相談された内容と同じような内容の相談をされることが増えてきます。そのような場合に、同じような回答が可能であると判断してしまいそうになります。多くの場合は、過去の相談と同じ内容の回答が可能ですが、事情をより正確に聞くと、今回の相談の事案は、過去の事案とは少し異なっていて、その少しの差異によって、回答内容をがらっと変えるべきであることも少なくありません。
クライアントから電話で、ざっくりとした事情の説明を受けて、対応策の相談をされることが多いですが、そのような場合は、拙速に回答せずに、メールで開示できる限りの事情を伺うことにしています。そうすると、電話では聞いていなかった事情がメールの説明では記載されていて、その事情が決定的に回答内容に影響を与えることも少なくありません。クライアントは、どのような事情が法律的に重要であるかを分かっていない場合があり、重要でないと考えていた事情が非常に重要である場合が非常に多いです。
クライアントの具体的な事案にそぐわない回答は、意味が無いどころが有害ですので、事情を正確に理解するまで回答を保留して、メールなどの十分に検討を行った上で、可能な限りの具体性・正確性を担保して回答するようにしています。

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