業務内容

PCT

SKIPの方針 SKIPは、PCT出願から各国への国内移行に至るまで権利取得業務をトータルにサポートします。

ビジネスの国際化により、外国での権利取得ニーズは年々高まりつつあります。しかしながら、コストとのバランスにより十分な権利取得ができないというご相談を受けるケースも少なくありません。

SKIPは、所内作業の合理化により、非常に安価にPCT出願できる体制を構築しました。また多数の国への出願実績の蓄積により、国内出願およびPCT出願の段階から各国への国内移行後を意識した明細書作成を行うことが可能です。私たちは、クライアントの海外での戦略的な権利取得をサポートいたします。
PCT出願の趣旨 ある発明に対して特許権を付与するか否かの判断は、各国がそれぞれの特許法に基づいて行います。したがって、特定の国で特許を取得するためには、その国に対して直接、特許出願をしなければなりません。

しかし、近年は、経済と技術の国際化を背景として、以前にも増して、多くの国で製品を販売したい、模倣品から自社製品を保護したい、などの理由から特許を取りたい国の数が増加する傾向にあります。同時に、そのすべての国に対して個々に特許出願を行うことはとても煩雑になってきました。また、先願主義のもと、発明は、一日も早く出願することが重要です。しかし、出願日を早く確保しようとしても、すべての国に対して同日に、それぞれ異なった言語を用いて異なった出願願書を提出することは、ほぼ不可能といえます。

そこで、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)によって、ひとつの出願願書を条約に従って提出することによって、PCT加盟国であるすべての国に同時に出願したことと同じ効果を与える出願制度が設けられました。
加盟条約 パリ条約、PCT条約(Patent Cooperation Treaty、特許協力条約)
最新の改正の施行年月日 2022年7月1日 下記の最新のPCT規則改正の施行あり

WIPO標準ST.26の実施
塩基配列及びアミノ酸配列の配列表表記について、WIPO標準ST.26(拡張マークアップ言語(XML)に基づく塩基配列及びアミノ酸配列の表記のために推奨される標準)を実施するための規則改正。

緊急事態におけるセーフガードの強化
新型コロナウイルス蔓延への対処の経験を踏まえ、感染症の拡大が期限徒過を許容できる対象事由であることを明確化するとともに、通常は要求する関連証拠を官庁の判断で免除し陳述のみで救済可能とする規則改正、及び、新型コロナウイルス蔓延等の緊急事態により業務に支障を来した官庁の判断で規則に定める期間を延長可能とするための規則改正。
出願の対象 PCT条約は「特許」を対象にするが、PCT条約における「特許」は、特許、発明者証、実用証、実用新案、追加特許、追加発明者証及び追加実用証を意味します。
出願人資格 締約国の居住者及び国民
パリ条約の締約国の居住者及び国民で、総会が決定したもの
出願人が複数いる場合は、そのうち一人以上が上述の条件に合致すれば国際出願できます

法人の場合、 いかなる場合にも、
PCT締約国において現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有することは、「その締約国に住所を有する」とみなされます
締約国の国内法令に従って設立された法人は、「その締約国の国民」とみなされます
出願先 出願人は以下の機関に国際出願できます。
該当する機関が複数あるときは、いずれに国際出願してもOKです。

出願人の少なくとも一人がその居住者若しくは国民である締約国の国内官庁、又はその締約国のために行動する国内官庁
国際事務局(出願人がどの締約国の居住者ないし国民である場合も可)

ここで国内官庁とは、特許を与える任務を有する締約国の政府の当局の事です
国際出願がなされた機関を受理官庁と言います
出願の言語 願書は、受理官庁が国際出願のために認めた言語で記述する必要があります。

受理官庁が日本国特許庁の場合、願書の言語は日本語か英語でなければなりません。

受理官庁が国際事務局の場合は、国際公開言語であるアラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語のいずれかで願書を記載する必要があります。
それ以外の言語の場合は一ヶ月以内に翻訳を提出する必要があります。
PCT出願の効果 PCT制度の下では、1つの言語で作成された1つの国際出願 (PCT出願) を、1つの官庁に対して、同じ発明に関する最初の特許出願の出願日 (優先日) から12ヶ月以内に提出します。1つのPCT出願を提出するだけでPCTの締約国150か国以上.において個別に出願した場合と同じ法的効果が発生します。

従来の方法と比べてPCT制度では国内手続に関連して発生する費用の支出を先に延ばすことができ、その間に発明の特許性についてより多くの情報を取得することができます。PCT制度を活用することで、より多くの情報に基づき、時間をかけて、出願の手続を進めることの是非や出願先の国の選択等について検討を行うことが可能になります。

つまり、日本人の場合、日本特許庁に対して日本語若しくは英語で作成した国際出願願書を1通だけ提出すれば、それによって国際出願に与えられた国際出願日が、それらすべての国においての「国内出願」の出願日となります。
国際調査+国際予備審査 PCTは、出願の手続を簡素化するだけでなく、PCT国際出願に独自の制度も用意されています。

たとえば、国際出願をすると、出願した発明に類似する発明が過去に出願された(公知となった)ことがあるかの調査(国際調査)が、すべての国際出願に対して行われます。その際には、その発明が進歩性、新規性など特許取得に必要な要件を備えているか否かについて審査官の見解も作成されます。もちろん、それらの結果は、出願人に提供されますので、出願人は、自分の発明の評価をするための有効な材料として利用することができます。さらに、出願人が希望すれば、特許取得のための要件について予備的な審査(国際予備審査)を受けることもできます(各国が行う特許付与のための審査ではありません)。

これらの制度を利用することで、特許取得の可能性を精査し、緻密に厳選した国においてのみ手続を係属させ、コストの効率化、適正化が可能となります。
各国への国内移行 PCT国際出願は、あくまで国際的な「出願」手続であるため、国際出願の発明が、特許を取得したい国のそれぞれで特許として認められるかどうかは、最終的には各国特許庁の実体的な審査に委ねられています。

そこで、PCT国際出願の最後の手続は、国際出願を各国の国内手続に係属させるための手続となります。PCT国際出願が国内手続に係属された後は、PCT国際出願もそれぞれの国の国内法令によって処理されます。この「各国の国内手続に係属させる」手続をPCTでは、「国内移行手続」と呼びます。

この国内移行手続を行うにあたり、優先日から30ヶ月の期限が満了する前に、権利を取りたいPCT加盟国が認める言語に翻訳した翻訳文をその国の特許庁に提出し、その国が求める場合には手数料を支払う必要があります。
弁理士が関与するメリット SKIPでは、PCT出願とその国内移行を扱っています。また、事務所内の業務を効率化することにより、安価にPCT出願を行うことができるとともに、多くの国への出願経験を蓄積しています。

SKIPでは、日本国内出願の段階から、PCTルートを経由しての各国移行後の審査も視野に入れたクレームや明細書作成が可能です。このようにして、クライアントの海外での戦略的な権利取得をサポートし、PCT出願から国内移行までのスムーズな流れを支援します。