業務内容

電気・電子

技術分野の特徴 効果的な知的財産戦略は、あらゆるビジネスにおいて失敗と成功の分かれ目となりますが、電気・電子分野のビジネスでは、これらの戦略はさらに重要なものとなります。時間をかけて強力な知的財産戦略を策定することで、競合他社からビジネスを保護し、潜在顧客に強みを示し、業界内の他企業とのコラボレーションを促進することができます。ここでは、電気・電子事業のための効果的な知的財産戦略を構築する際に考慮すべき点をいくつかご紹介します。
パテントウォール戦略 電気・電子分野において、最高の成功事例とされているのが、クアルコムのパテントウォール戦略です。クアルコムは、このパテントウォール戦略にもとづいて、何千もの特許を保有しており、それを使って自社の製品やサービスを競合他社から守っていることは有名です。クアルコムは、実際にこれらの特許証を自社の本社ビルの壁に並べることで、自社の知的財産の強さを世界にアピールしています。

クアルコムのパテントウォールは、さまざまな技術分野にまたがる数千の特許で構成されています。これらの技術分野には、テレコミュニケーション、携帯電話技術、半導体、ソフトウェア、自動車、医療機器などが含まれます。クアルコムのパテントウォールを分析すると、移動通信規格の標準化を主導して、最新の通信規格に適合した通信用のベースバンドチップを他社に先駆けて実用化したり、CPUやGPUといった主要回路を独自開発に切り替えて、いわゆるチップセットに統合したりといった、オープン・クローズ戦略が成功したケースであることがわかります。つまり、クアルコムのパテントウォールは戦略は、まさに、標準化戦略と特許戦略のあわせ技による見事なビジネス戦略であるといえます。
標準化戦略と特許戦略 電気・電子分野のビジネスにおける効果的な戦略の1つは、国際規格の策定に関与することです。これは、国際電気電子学会(IEEE)などの組織を通じて行われます。これらの団体に参加することで、自社の技術が国際標準規格に採用され、業界の標準的なソリューションとなる機会を得ることができます。これにより、企業は競争力を高め、強力なマーケティングツールを手に入れることができるのです。

その際に重要なのは、それらの国際標準規格のパテントプールに自社の必須特許を多数潜り込ませることです。電気・電子分野において、特許戦略の役割は、通常の技術分野と同様に、企業の製品を保護し一定の法的権利を与えることでビジネスを保護するだけではありません。電気・電子分野では、うまく標準化戦略と特許戦略を組み合わせることによってパテントプールの恩恵を受けることもできます。

パテントプールは、複数の企業間で知的財産権の交換を容易にするために設計されています。このようなパテントプールに参加することで、各企業は協働して特許ポートフォリオを共同管理することができます。これにより、各企業は互いのリソースを最大限に活用すると同時に、自社のリソースを保護することができます。さらに、パテントプールに参加することで、各企業はより迅速かつ効果的に製品やサービスを市場に投入できるようになります。
まとめ 電気・電子分野で効果的な知的財産戦略を実施することには、多くの利点があります。まず、このような戦略によって、製品やサービスが競合他社から適切に保護されるようになります。また、国際規格に対応した特許を開発し、パテントプールに参加することで、収益を上げ、市場の先を行くことができ、他社とのコラボレーションを容易にすることができます。

SKIPでは、電気・電子分野の技術知識に優れるだけでなく、実際に研究者またはエンジニアとして回路設計などの実務経験も豊富な弁理士・特許技術者によって、多数のコンパクトな特許をコストパフォーマンスよく権利化して強力な特許ポートフォリオを構築させていただきます。また、その特許ポートフォリオを用いてどのようにして標準化戦略と特許戦略を組み合わせて自社の優位性を確保すればよいかについて、クライアント企業に適切なアドバイスを差し上げます。