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【特許業界分析】特許業界の労働生産性が国家資格業の中で異常に高く、規模の利益が可能な理由の分析(SKIPも、早く所員数30~49人(平均34.9人)の特許業界平均売上の約5億6千万円までもっていかないとイケないですね。)

年収 SKIP所内のアレコレ 業績

2025.05.25

SKIP

■すべての国家資格に絡むビジネスの中で、特許事務所がもっとも労働生産性が高い

なぜか、広く知られていないのですが、一人あたりの労働生産性を比較すると、最新の経済センサスによれば、実は、すべての国家資格に絡むビジネスの中で、明らかに特許事務所がもっとも労働生産性が高いんですよね。

なぜ、こんなに労働生産性が高いのかというと、それは、特許業界で働く人達の大半が、理工系の修士や博士を有する、英語や中国語などにも堪能な技術者(エンジニア、研究者)であるためです。

そのため、特許業界というのは・・・

科学技術知識(理工系の修士や博士によって担保)

語学力(英検、TOEIC、中検、HSKなどによって担保)

法律知識(日本特許法については弁理士試験の合格+欧米中韓台の特許法については独学によって担保)

という3重の参入障壁によって守られていることになります。

■各産業の労働生産性

参考:SK弁理士法人 一人あたり付加価値  約1500万円(弁理士・特許技術者一人あたり 約2000万円、弁理士一人あたり 約4000万円)

特許事務所   一人あたり付加価値  約850万円
法律事務所   一人あたり付加価値  約612万円
司法書士事務所 一人あたり付加価値  約691万円
監査法人    一人あたり付加価値  約778万円
税理士事務所  一人あたり付加価値  約511万円
社労士事務所  一人あたり付加価値  約332万円
行政書士事務所 一人あたり付加価値  約201万円

経営コンサル業 一人あたり付加価値 約1087万円
翻訳業     一人あたり付加価値  約483万円
デザイン業   一人あたり付加価値  約459万円
建築設計業   一人あたり付加価値  約560万円
機械設計業   一人あたり付加価値  約720万円
自然科学研究所 一人あたり付加価値 約1139万円

医療業     一人あたり付加価値  約464万円
介護業     一人あたり付加価値  約285万円
獣医業     一人あたり付加価値  約454万円

製造業     一人あたり付加価値  約659万円
建設業     一人あたり付加価値  約582万円
運輸業     一人あたり付加価値  約548万円
卸売業     一人あたり付加価値  約850万円
小売業     一人あたり付加価値  約381万円
情報通信産業  一人あたり付加価値  約976万円
金融保険業   一人あたり付加価値 約1226万円
不動産業    一人あたり付加価値  約679万円
宿泊業     一人あたり付加価値  約345万円
飲食業     一人あたり付加価値  約195万円
教育業     一人あたり付加価値  約250万円
農林水産業   一人あたり付加価値  約339万円

全産業     一人あたり付加価値  約536万円

参考 シリコンバレー 全産業 一人あたり付加価値 約5000万円(サンノゼ市役所のDBの内容を分析した結果)

■すべての国家資格に絡むビジネスの中で、特許事務所だけが、経営コンサルタント業+IT産業のように規模の利益が可能

「規模の利益」とは、ビジネスの規模が大きくなるほど、製品やサービスの1単位あたりのコストが下がる現象を指します。大量生産や大量販売による固定費の分散、そしてそれに伴う利益率の向上が特徴です。

この規模の利益は、一般的には、国家資格が絡む産業においては規制(消費者や患者の安全を守るため(表の目的)+国家資格者の既得権益を守るため(裏の目的))によって実現が困難であるとされています。

例えば、本当は事務員さんでもできる作業でも、弁護士さんが相談に乗らないとイケナイとか、看護師さんでもインフルエンザだと明らかにわかるのに、お医者さんの確定診断を受けないとイケないとか、するので、どうしても、一般的な民間企業よりも労働生産性が低くなるんですよね。

もちろん、特許事務所でも、特許技術者や特許事務が作った特許出願書類を弁理士が最終チェックして特許庁に提出する必要性はありますが、仕事の内容の80-90%が科学技術に絡んでおり、せいぜい10-20%くらいしか法律は絡んでこないので、規制による労働生産性の低下が少なくて済んでいるようには思います。そのため、特許事務所は、他の国家資格業のように、国家資格を持たない人の年収が極端に低く抑えられていて、国家資格を持つ人が粗利益を独り占めするような報酬分配システムにはなっていないですね。

国家資格って儲かるように見えるのは、実は幻想で、単に、国家資格を持たない人の報酬を減らして、国家資格を持つ人に厚く分配しているので、国家資格を持っている人(特に院長だとかパートナーだとかいう経営陣)だけ見ると儲かっているように見えるだけですね。そのイメージを、マスコミや受験産業が利用して、国家資格受験ビジネス、大学受験ビジネスなどで小銭を稼いでいるんですが、それが一般の人々の認知を歪ませているだけですね。

明らかに、起業するなら、国家資格が絡まないビジネスで起業するのが儲かります(国家資格が絡まない、IT起業が一番儲かるのは皆さんご存知ですよね)。

とはいえ、やはり、多少は国家資格が絡むので、特許事務所では、経営コンサルタント業+IT産業のように規模の利益は不可能であり、国家資格が絡む中ではナンバーワンだとはいえ、全産業から見ると、あんまり儲からない商売なのかな?とやや諦めておりました。

ところが、最近、最新の経済センサスの確定版が公表されたので分析してみましたところ・・・
特許事務所は、所員数が30人を超える中堅~大規模事務所になると、急激に労働生産性が向上するようで驚いています。
SKIPもようやく所員数が30人を超えたので、今後、一気に労働生産性を高めていきたいですね。

所員数30~49人(平均34.9人)の特許事務所の1事業所当たり純付加価値額は、約5億6千万円なので、驚くばかりです。
SKIPは、現在、所員数33人で売上約4億5千万円ほどなので、早く、特許業界平均売上の約5億6千万円までもっていかないとイケないですね。
なお、SKIPは、粗利益率100%(外注翻訳+外注図面+外注調査+外注弁理士などをほとんど使っておらず、すべて所内でこなしているため)なので、純付加価値額=売上となっております。

特許事務所
事業従事者1人当たり純付加価値額【万円】
1~4人     約639万円
5~9人     約628万円
10~19人   約755万円
20~29人   約647万円
30~49人  約1612万円(平均34.9人)

所員数が30人を超えたあたりから、急激に労働生産性が上昇していることがよくわかります。

ちなみに、その他の士業、医療福祉業などの国家資格が絡む産業においては、全く規模の利益が働いていないことが、この統計データを分析するとよくわかります。

一方、経営コンサルタント業+IT産業では、明らかに規模の利益が働いており、特許事務所だけが、国家資格に絡む産業の中では、経営コンサルタント業+IT産業とよく似たビジネスモデルになっているために規模の利益が可能になっているのだろうと考えられます。

これは、確かに、SKIPを経営してきた経験からもよくわかるところです。

やはり、中規模から大規模の特許事務所というのは、経営の仕組み、営業の仕組み、事務の仕組みなどがよく整っており、弁理士や特許技術者が雑務に煩わされずに特許実務に集中できる体制が整っています。また、やはり、中規模から大規模の特許事務所になると、クライアント企業から無理なディスカウント要求を受けることも減るように思います。

そのため、所員数が30人を超えたあたりから、 労働生産性が約1612万円に跳ね上がるというとんでもない状況になっているのでしょう。

こうやって分析してみると、SKIPの労働生産性は、約1500万円しかありませんので、所員数30~49人の中規模の特許事務所としては、まだまだ平均以下なんだなと悲しいような、まだまだ伸ばす余地があるということで嬉しいような複雑な気分ですね。SKIPは、アソシエイト弁理士・特許技術者の平均年収は約1136万円、特許事務の平均年収は約685万円(代表社員、パートナー、ジュニアパートナーなどの経営陣を除く 入所初年度のメンバーおよび年度途中の入所・退所・休職を除く 手取年収ではなく額面年収 年末調整時における顧問税理士による公式算出結果)を達成したと言って喜んでおりますが、それって、単に無駄を省いて所員への労働分配率を高くしていただけであって、決して経営が上手なわけじゃなかったんだなと痛感しております。

てなわけで、ここからは、無理に人件費率を数%高めるよりも、積極的にウェブマーケティング投資+IT投資を行って、売上増大+生産性増大を図ったほうが、一人あたりの年収を増やせると思います。そのため、あえて人件費率は80%程度に抑えて、10%程度の税引き前利益をきちんと出して運転資金を確保して、10%程度を各種経費&各種投資に回していきたいと思います。特に、所員の労働生産性を高めるためには、積極的なIT投資を行う必要があるので、IT関連の経費はむしろどんどん増やしていきたいですね。

また、これまでは、人材採用がボトルネックだったので、積極的なマーケティング+営業活動を控えてきましたが、もはやムキムキマッチョな感じに筋肉質な経営体制になっちゃったSKIPとしては、これ以上のムダを省くスタイルはそろそろ限界に来ているように思います。そこで、トランプ政権2.0の実現によって世界的な大混乱+大不況が来そうな状況において、やはり、混乱期+不況期に強いSKIPとしては、これから思い切ってマーケティング+営業のルーチンワーク化+自動化のための秘密プロジェクト【レインメーカー】の作戦第2弾~第5弾(いずれも内容は秘密)をガンガン実行して、一人あたりの売上増大による労働生産性増大を図っていく必要があるように考えています。

というわけで、今回、最新の経済センサスの確定版が公表されたので分析してみましたところ・・・SKIPの経営陣としては、天狗の鼻が折られるという結果になり、現在兜の緒を締めて、さらに労働生産性を高めていこうと決意しているところです。まずは、早く、所員数30~49人(平均34.9人)の特許業界平均の売上約5億6千万円のまでもっていかないとイケないですね。さあ、大混乱する世界情勢の中、世間の逆張りで、思いっきり積極投資をして、一気に労働生産性を高めていくぞ!エイエイオー!

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