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【SKIPの知財教室(IP Hack ®)】じっくり茶飲み話 特許戦略は複雑であり、法律と市場と技術に関する深い理解が必要です。

知財戦略

2022.11.11

AKI

大企業にとっても、スタートアップにとっても、あるいは大学や公的研究機関にとっても、特許戦略というのは難しいものです。発明の種類、企業のビジネスモデル、市場の状況、競合の状況など、考慮すべき要素がたくさんあります。また、その戦略は、会社の全体的なビジネス戦略と整合していなければなりません。特許戦略は複雑であり、法律と市場と技術に関する深い理解が必要です。

しかしながら、よく練られた特許戦略は、企業に大きな競争力を与えることができます。一方で、包括的な特許戦略の策定に失敗した企業は、不利な立場に立たされることになります。

特許戦略の前提となる、ビジネスの戦略は、その成功や失敗に不可欠なものです。マーケティング、テクノロジー、その他のトレンドの適切な組み合わせが、繁栄するビジネスと苦戦するビジネスの違いを生み出すことになります。

経営者として、最新の業界動向やトレンドを常に把握することは重要です。ここでは、注目すべき3つの主要な分野を紹介します。

ビジネス戦略

刻々と変化するビジネス環境についていくのは大変なことです。中小企業であれ、大企業であれ、しっかりとした計画を立てることが重要です。昨年はうまくいったことが今年はうまくいかないかもしれないので、定期的に戦略を見直して調整することが重要です。

マーケティング戦略

マーケティング戦略は、ビジネス戦略と同様に、流動的で適応性のあるものであるべきです。一律にマーケティングを行う時代はとうに過ぎ去りました。今日の消費者は、かつてないほど精通し、選り好みするようになっているため、消費者がいる場所に到達できるようにする必要があります。

テクノロジー・トレンド

テクノロジーは常に進化しており、今日ホットな話題も明日には古い話題になっているかもしれません。新しいチャンスを最大限に生かすためには、最新のトレンドを把握することが重要です。

三位一体の特許戦略

これらのビジネス戦略、マーケティング戦略、テクノロジー・トレンドにバランスよく目配せをしながら、自社にとって役に立つ良い特許戦略を立てるには、事業部門、研究部門、知財部門が一体となって取り組むことが重要です。事業部門は会社全体の方向性を決める役割を担い、投資の可能性のある分野を特定する役割を担うべきでしょう。研究部門は新技術の研究開発を行い、事業部が狙っている技術分野において自社の技術的優位性を生み出すために、自社内の研究資源の活用や社外とのオープンイノベーションの実行によって、斬新な技術シーズを生み出します。そして、知財部門は、研究部門が生み出した技術シーズを保護するために特許の出願と権利化に責任を持つべきです。

社外の特許事務所の活用

こうして新規事業を立ち上げていくうちに、ビジネスの成長に伴い、競合他社から知的財産(IP)を保護することが必要になる場合があります。そのための一つの方法が、日本、米国、欧州、中国、韓国、台湾などの各国の特許庁で特許を取得することです。しかし、特許取得の手続きは複雑で時間がかかることがあります。特許事務所や弁理士と協力して、このプロセスを支援することを検討するとよいでしょう。

特許事務所や弁理士を選ぶ際に考慮すべき要素は数多くあります。まず、あなたが必要とする特許をどのような形で保護するかを決定する必要があります。あなたは、新しい製品やプロセスのための特許が必要なのでしょうか?それとも、実は、特許による保護ではなくて、実用新案や意匠や商標や著作権による保護のほうが適しているかもしれないですね?それどころか、コカ・コーラの原液のレシピのようにノウハウとして隠してしまってブラックボックスにしてしまうほうがよいかもしれません。どのようなタイプの知的財産保護が必要かがわかれば、その分野を専門とする特許事務所や弁理士のリサーチを開始することができます。

また、依頼する特許事務所の規模や得意とする技術分野を検討することも重要です。巨大な特許ポートフォリオを構築する必要がある複雑な知的財産の問題がある場合は、ケースを処理するためのリソースを持つ大規模な事務所と協力する必要があるかもしれません。一方、特殊な技術分野の問題であれば、その技術分野を得意とする小規模な事務所や、一人で独立開業している弁理士と仕事をすることができるかもしれません。

最後に、特許事務所や弁理士に依頼する際の手数料を考慮する必要があります。手数料は、あなたが必要とする作業の種類と、特許事務所や弁理士の経験に応じて異なる場合があります。あなたが特許事務所や弁理士に正式に依頼をする前に、書面で手数料の見積もりを取得するようにしてください。

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