Guest Post: Origins of the Clear and Convincing Standard
Guest Post by Professor Jeffrey Lefstin (U.C. Hastings)
米国で特許無効にclear and convincingが要求されるようになった歴史についての論文がpatently-oに載っていました。
CAFCは、1982年に設立されました。その前身は、CCPAと呼ばれていたものです。
CCPAは、USPTOとITCからの上訴審であり、一般の侵害訴訟は、各サーキットの控訴裁判所が担当していました。USPTOからの上訴は、出願人からの訴えであり、ITCからの上訴は、外国からの侵害品に苦しむ米国特許権者からの訴えです。従って、CCPAに上訴する者は、出願人であるか米国人でした。そのため、CCPAは、特許権者に有利な判決を出す傾向があり、それが、clear and convincing基準が作られた理由のようです。
また、CCPAでは、USPTOが考慮していない文献が提出されたかどうかに関わらず、特許の有効性の推定は弱まらないと判示しています。
なお、CCPA以外の控訴裁判所では、USPTOが考慮していない文献が提出された場合には、特許の有効性の推定が弱められるという判決を出していたものもあったようですが、CAFCは、CCPAの基準を採用し、それ以外の控訴裁判所の基準を無視したようです。
そのため、現在でも、CAFCでは、USPTOが考慮していない文献が提出されたかどうかに関わらず、特許の有効性の推定は弱まらず、clear and convincing基準が要求されるとしているようです。
なお、最高裁は、KSR事件で、以下のように述べて、審査官が考慮していない文献については、特許の有効性が緩まると述べていますので、このような文献に基づく無効主張のための証拠の基準も緩めるべきだと判断する可能性もあると思います。
KSR INTERNATIONAL CO., Petitioner v. TELEFLEX INC. et al.
We need not reach the question whether the failure to disclose Asano during the prosecution of Engelgau voids the presumption of validity given [*51] to issued patents, for claim 4 is obvious despite the presumption. We nevertheless think it appropriate to note that the rationale underlying the presumption–that the PTO, in its expertise, has approved the claim–seems much diminished here.